毛バリに迷うな。これでも釣れる

 

 

 

 

写真の毛バリは長野県開田のMtおんたけの奥さんの巻く毛バリである (使った毛バリではない)

自宅から3分のマイリバーの冷川(つめたがわ)で、ときに2時間で10匹以上釣る。

奥さんはすっかりテンカラウィルスに感染し、ご主人の話ではいまやテンカラ中毒らしい。

数本の毛バリを持って行き、なくなると自宅でチャッチャッと巻いてまた出かける。

奥さんには毛バリはテキトーでいい。上手く巻いてはいけない。上手く巻くと、上手く巻けた毛バリが釣れるように思い、下手に巻いた毛バリでは釣れないと思うから、毛バリはテキトーでいいと教えた。

黒い木綿の胴にパラッと数本の羽根だけ。それもクチャクチャに巻いていて、テキトー毛バリな私でもここまで下手に巻くのは難しい。

フライマンが見たら、めまいがする毛バリである。失神する人もいるかもしれない。これは蚊に似ていると思うのはフライの呪縛である。魚は蚊だ! なんて思ってもいない。

私の毛バリの考えはテンカラ毛バリ論(1) テンカラ毛バリ論(2)書いたので繰り返さないが、こんな毛バリでも釣れる。

丁寧に巻くことは否定しない。丁寧に巻けば扱いも慎重になるし、毛バリへも思いも強くなる。この毛バリなら・・明日の釣りを夢見て巻くときからテンカラは始まっている。

毛バリの羽根は裏向きにするのか、何回巻けばいいのか、胴の色は何色が・・・・。こうでなければ釣れないと思うのは残念である。

こんな毛バリでも釣れることがわかれば、毛バリへの迷いは吹っ切れるだろう。釣れないのは毛バリではないのだ。

冷川は御岳山の雪渓から直流するので冷たい。冷たいだけでなく釣り人にも冷たいので「木村冷子」と呼んでいるが、ときどき皆緒温子(みなをあつこ)になる。

奥さんにはセッセと通って「今は、冷子、温子」と温度センサーになってもらいたいと思っている。