雪渓の残る山形の渓流

 

Sさんの案内で山形は西置賜郡飯豊町(にしおきたまぐんいいでまち)のテンカラを楽しんだ。

山形は今回で6回目である。ここは山菜の宝庫である。二晩、民宿にお世話になったが、それぞれの民宿の食事は山菜づくしである。日頃、見かける山菜にこんな食べ方があるのかと驚くばかりである。

Sさんはテンカラより山菜が好き。消防署の救急隊員なので体力に自信があり、おりしも山菜がまもなく終るというので、山に分け入り山菜をどっさりとって来る。熊の怖さより、山菜好きが勝っている。

池田さんとテンカラをやった。20年以上前、池田さんが渓流でそうめんを食べるソーメニストクラブをまとめていたとき、メールのやりとりをした。そのときは行けなかったが20年の時を越えてやっと実現した。

池田さんもテンカラのベテランなので、出る、出ないの見切りが早い。雪渓の残る細流でも前後し、ゆずりあいながら竿を出す。

お互い見切りと、出る場所の判断が一緒なので、ストレスなく進むことができる。

 

 

小さい沢なので最大で8寸のイワナであったが、真っ青な空、ドライな空気、圧倒される緑、春ゼミの合唱の中で十分楽しめた。

置賜白川の本流は石徹白の本流の傾斜をきつくしたような流れで、遠くの飯豊連峰の残雪がそこが源流であることを示している。

雪代が流れ、水も太く、テンカラのポイントは少なかったが、いくつかイワナが出た。最大で9寸あるかどうかである。

今回、案内してもらったところがそうだったのかもしれないが、渓流の規模の割に魚が少ない。Sさんの話ではほとんどがエサ釣りのようだ。

入漁券の旗のある家で日釣り券を買ったが、解禁から今日までの間、券を買ったのはあなたが初めてだと言われた。無券の人が多いのだろう。

山に入れば山菜は取り放題である。イワナも山菜同様、とり放題なのかもしれない。

漁協放流もないだろうから、魚が増える要素はなく、渓相の割に魚が少ない理由がわかった気がした。