魚の気持ちはわからない

 

ある雑誌の取材があり、御岳山の渓流へ。

取材となると穴をあけることができない。釣れなかったではボツである。そのため情報を集め、まず間違いないという渓流へ。

ところが行ってみると活性が悪い。月曜なので土日に入った影響もあるだろうがそれだけではないことが長い経験からわかる。

下流部に入ったフライマング2人も小さなアマゴしか出なかったという。その2人はつい先日、同じ場所で尺アマゴ、尺イワナをはじめ爆釣である。

なぜ活性が日により違うのだろうか。

水温と水温の変化量、水況、餌、先行者・・・さまざまな要素がからみあっているのだろうが、魚ならぬ我々にはわからないファクターXがあるのかもしれない。

渓流魚活性の方程式がわかればイグノーベル賞は間違いない。

 

 

岐阜県石徹白川は私のフィールドの一つ。お盆明けからずっと梅雨のような天候が続いた。

9月8日の石徹白は予想どうり水が高く、水温はこの季節にしては極めて低い12度である。案の定、ウンもスンもない。

その後、真夏のような日が続き、台風14号前の17日に行ったときには水温は16度である。石徹白川のこの季節は煮詰まるように水温が上がる方がいい。

予想どおり活性していた。9月も末になると良型アマゴは期待できない。この日もイワナだけである。解禁以来、大勢に攻められ、抜かれているので魚の数は少ない。

なにより警戒心が強い。当たり前のところからはまず出ない。え!こんなとこしか出ない。

それも何度も何度も同じポイントに打ち返してやっと反応する。

三秒流し、三回流す「三×三の法則」では文字通り散々になるのは間違いない。

つくづく魚の気持ちはわからないと思った日々であった。