講習会は一期一会

 

テンカラをやりたい人が増えているのを実感しているので、少しでも役に立てばと思い各地で講習会を開いている。言うまでもないが、すべてボランティアである。

GWでは、29日は地元の段戸川、30日、掛川の原野谷川(はらのや)、5/1は岐阜県荘川である。

講習会はつくづく一期一会だと思う。10人受講する人がいるとき、その中にもう一度、私の講習を受ける機会がある人はほとんどいない。

あのとき講習会に出て、こんなことを教えてもらった。そこで知ったことを自身の釣りに活かす。だからこそ、一期一会の機会を大切にしたいと思っている。

マンツーマンなら密着して、細かいところまで教えることができ、絶対に釣らせる自信があるが、10人となればそうはいかない。

個人ではなく参加者全員に向けたものにしなければばらない。しかも今日、テンカラを始める人から経験者まで幅広い。

さらに話を聞いていても、早く竿を出したいという気持ちが伝わってくる。限られた時間の中でコンパクトに、最低限必要なことを、記憶に残るように伝えなければならない。

どうしようもないオヤジギャグを言うのも、講習のアクセントである。

また言っている!とよく言われるが、初めて聞く人には新鮮で記憶に残る。通り一遍の話では記憶に残るアクセントがないからだ。

腕のいい人は自分の感覚を伝えようする。感覚は個人の感性で異なり、言葉で表現することに限界がある。手首のスナップを強く利かせて・・と言われても、スナップ? 強く?

腕のいい人は自分の技を見せようとする。ときには受講者をおいてきぼりにする。

この人、自分のすごさを見せようとしているのだ。すごいけれど、私が知りたいのはどうすればそうなるのかなのに。そこは教えてくれない。多分、教えられないからだろう。

 

 

限られた一期一会の中で、確実に伝えたいのは3つである。

@キャスティング

キャスティングがテンカラの半分を占める。狙ったところに毛バリを落とせれば、まず釣れる。キャスティングの原理と技術をわかりやすく説明する。技術なのですぐにできる人と時間がかかる人がいる。

A 魚のつき場を知る。

魚には隠れ場がある。隠場があり、そこにエサが流れてくる場所、つまり魚の食と住を満たすところはどこか。それを知って、どこに毛バリを落とせばいいか。

魚は3秒の間にエサをとる。1投目で出るので、3回流したら見切る。3秒、3回の「散々の法則」を実演。ただし、これは原則で絶対ではないこと。

B 魚のアタリを知る

大まか、水面にバシャと出る、水中で反転するのが見える、ラインがふける、の3つを紹介する。初心者の最初のヒットはピックアップしたら掛かっていたである。そのうちアタリがわかるようになる。

もちろん、アプローチ、立ち位置など講習しなればならないことは沢山あるが、限られた時間の中では限界があり、これ以上の詰め込みはかえって消化不良になる。

マンツーマンやマンツーツーなら確実に釣らせ、ステップアップさせることができる。希望する人は遠慮なくどうぞ。怖い、うるさい、細かい、神経質な男ではありません。