初心者にはキャスティングがすべて

 

講習会などいろいろな機会に初心者を教えることが多い。初心者にとって大事なのは毛バリではなくキャスティングである。

「あのあたりに」と指示した付近に落ちれば、魚の食い気があれば反応する。反応すればやる気になる。

しかし毛バリが落ちる前に何度もラインでペタペタ叩いた後、毛バリが落ちるので、魚はもう出ない。「魚がいなぁーい」

赤ちゃんが歩き出すのに早い子、遅い子がいるが、やがて誰でも歩けるようになる。キャスティングも技術なのですぐできる人、時間がかかる人がいる。

キャスティングも時間はかかっても誰でもそれなりにキャスティングができるようになる。ただ、練習しなければ上手くならない。

 

「竿の振り幅は時計の針で12時→10時の2時間です」と見本を見せても、大方は2時→9時の5時間になる。

「9時ならラインが水面を叩きます、10時で竿が止まれば毛バリから落ちます」というデモンストレーションすると、ラインが目に見えるので、10時で止めることは比較的理解しやすい。

しかし、バックキャストのハネ上げは12時の感覚がつかめず、2時、よくて1時である。自分の頭の後ろの竿の傾きとラインなので、目に見えないからだ。

このような人には「11時で」と言うと12時で止まる。

「イーチ、ニィ」というテンポを「ポーン、ポン」と言い換えてもみる。

初心者が釣れ出すのが早いかどうかは、キャスティングのよしあしで決まる。まずまずのポイントに落ちるし、落ちればその後の毛バリが食い筋を流れるからである。

バックキャストのとき、手首が後ろにかえってしまう(1時、2時まで来る人)のためにキャスティング養成ギブスを考案中である。 星飛雄馬の大リーグ養成ギブスのように。

と言っても、若い人には「何のこと?」

6/6の段戸川の男性、女性各1名の講習も女性の方がキャスティングがうまい。

その後の、某TV番組の釣りガールはテンカラは初めてだったが覚えが早かった。 キャスティングができるにしたがってヒットが続いた。

6/12-13の長野県開田高原の初心者講習会には8名が参加。ここでもキャスティングの良否が釣果をわけた。

毛バリ巻きは全員に自己融着テープで10本巻いてもらい、その毛バリを使用してもらった。毛バリ巻きも技術なのですぐに上手く巻ける人、グチャグチャの 人に分かれる。

ある女性の巻いた毛バリは融着テープの厚巻きで、まるでアリ毛バリである。巻いた本人が「アリ? こんなのアリ?」

その出来映えに、イワナが「アリ馬ぁ温泉」と驚いて口を開けたので、2匹釣ったのだった。

イワナだって、これをアリと思ってくわえたわけではない。魚にはアリを見る機会はほぼない。アリだ!と食ったのではなく、餌らしく見えたので食っただけである。

イワナも「痛ぇ!こんなのアリ?」と思ったとか、思わなかったとか。

段戸川、開田高原講習会で毛バリBOX、13000円の寄付がありました。全額Water Aidに寄付します。ご協力ありがとうございました。