大渇水の渓流、魚はどうしているのか?

 

雨が降らない。おまけに連日の猛暑、酷暑である。7月の連日の長雨による増水の後、一転して渓流は大渇水である。

渓流によっては30cmの渇水である。平水線が高い。ヌルヌルの石垢で川が黒く見える。川べりには腐った青藻が足にまとわりつく。こんな渇水は久しく見たことがない。

渇水の渓流で毛バリに反応するのは決まって小学生サイズのアマゴやイワナである。お父さん、お母さんサイズの魚はまず反応しない。一体、どこでどうしているのか?

「お前ね、こんな暑い日は日中に出歩いたらダメだよ。熱中症になるからね。お父さん、お母さんは真っ暗にならないと出かけないのだから」

「お父さん、大変! あんなに言ったのにバカだよ、うちの子、出かけちゃったわよ。帰ってこないよ。悪い人に捕まってなければいいけど・・」

しばらくして

「お父さん、お父さん! うちの子、帰って来たよ」「どこ行ってたの? あんなに出かけちゃダメって言ったでしょう。このバカ」

「ゴメンね。腹が減ってたんで、ふらふらと出かけちゃったんだ。餌だと思って食ったら毛バリだったんだ。チクッて痛かった。騙されちゃったけど、逃がしてくれたから悪い人じゃないよ」

「よかったね。テンカラマンで。餌師なら命がなかったんだからね」

渓流でもこんな会話が交わされているはず・・はない。

渓流の垢を洗うくらいの増水がないと魚は活性しないだろう。渓流シーズンはあと1ヶ月。9/9までのところも。9月も高温、少雨の予想。果たしてそんな日は来るのだろうか。

8/29は開田高原MTおんたけで行く夏を惜しむバーベQの夕べ。今年で10年くらいだろうか。私にとって年に一度だけ魚を食べる日である。

この季節、水のある渓流なら朝夕のマズメどきは毛バリを追う。近くの冷川はほぼ平水で水温も低いので大勢が入渓した後、参加者メンバーが竿を出してもポツポツ出る。

26匹がバーベQに。肉も美味いけれど、1年ぶりの塩焼きも美味い高原の夜だった。

タツおう

大将の独り語