テンカラ大王 中国地方ファンミーティング

 

6/1-2は岩国市深谷郷温泉清流の郷(ふかたに)での講習会である。中国地方は私にとって講習会を含め、テンカラは全く初めての地である。

新幹線の新岩国駅に迎えに来てくれた深谷郷オーナーの林さんと道々、地元の話になる。「ガードレールが黄色でしょう。山口県は黄色なんです」「ほんとだ。黄色ですね。みかんの県だから?」

「道がいいでしょう。安倍総理のお膝元だし、山口は歴代総理が大勢出ていますから」「やっぱり政治力ですかね」

「ところで山口県を通ってから広島に向かうのですか?」「はぁ? 岩国は山口県ですよ」

「えぇ 山口県!!」

5歳の女の子に叱られそう。ボゥと生きてました。

岩国と言えば錦帯橋。その川が錦川で上流が利き鮎日本一に2回なったという宇佐川で、その支流が深谷川である。

深谷郷は山口、島根、広島の県境にあり、あと10分走ればイワナの一種のゴギのいる島根県である。

標高300m。渓流というより清流である。そうか、だから清流の郷なのだ。納得。

雨の少なかった西日本なので深谷川も20cmの渇水である。平水線が石の周りに白いラインを描いている。これは厳しいぞ。

今回の参加者は6名。中国地方ファンミーティングなのに6名しかファンがいないのか、と涙がこぼれそうに、ついでに鼻水が垂れそうになる。

告知が遅く、釣具店にチラシを配るのが2週間前だったので、これは仕方ない。

遠くはなんと熊本から2名、岡山から1名、広島から3名。熊本と言えばクマモンである。クマモンの最中をお土産でいただく。広島定番の紅葉まんじゅうも。岡山はどうした(笑)

私は甘いものが好きなのです皆さん、と暗にお土産をお願いしているのがわかってくれたもん、クマモン。

座学には地元漁協の2名の組合員の方が参加して質問も多く2時間半があっという間である。

午後は実釣。定番のキャスティングをサッとすませて深谷川へ。水が涸れ、田んぼの濁りが入り、釣れるのは小さいハヤばかり。期待できないので宇佐川の上流へ転戦だ。

ここも渇水だが田んぼ水がないだけ澄んでいる。しかし走る魚の姿はなく魚は明らかに薄い。

6名がぞろぞろと上流へ移動するので、後ろを回り、上につくルールを徹底してもらう。こうすれば先頭に立ち魚と出会うチャンスが生まれる。

魚が薄く反応がない。こういうときは釣りよりもデモンストレーションが後々に活かせるので、竿を借りて私のデモをみてもらう。

どの位置から、どんな姿勢でどこに打てばいいか。2匹連続でバラす。おや!と思ってハリを見ると、明らかにバレ易い形状のハリである。

ハリを私の毛バリ(バリバス2120WB)に換える。次はアマゴががっちりかかる。私にはめずらしくデモ中に掛けることができた。拍手ぅ・・! 拍手もうれしいけど甘いものもね。まだ言ってる。

そんなこんなで宇佐川も今ひとつ。夜は温泉に入り、オーナーの林さんが交流会をセットしてくれてワイワイ。明日の元気の素である。

 

 

翌日は広島県の吉和川(よしわ)へ転戦。参加者の広島県の丸岡さんが2回ほど来たことがあるという。

日曜だから人が多いかもという心配は杞憂で途中、車はわずか1台しかない。

これだけの規模の渓流でも日曜なのにガラガラ。中部の渓流では考えられない少なさである。やはり渓流人口が少ないのだろう。

毛バリ専用区の下流に入る。予約制のテンカラ、フライの専用区があるようだ。

なんとここはアマゴの成魚放流した後のようで、皆さん楽しんだ。

見ていると合わせが早い。「出たぁ」と魚が見えただけで反応してしまう。いつも言うことだがお化けが出たのではないからびっくりすることはない。

出た、ちょっと待ってよいしょ。その間合いがわかるまでには経験が必要である。そのほか、掛けてから場を荒らさない取り込みなどレクチャーする。

私のデモ中に魚が出ることがほとんどないので、合わせと取り込みまで伝えることがなかなかできない。

しかし、これだけいると、誰もが何匹も掛けることができ、よかった。よかった。言い換えれば、成魚放流魚がいなければ釣果のさみしい講習会になったかもしれない。

やはりテンカラは釣れなければ面白くない。6/1に長野県木祖村のテンカラ優先区がスタートした。

ここは成魚放流されている。6/1に出かけたテンカラ仲間から爆釣の連絡が。ここは入門者、初心者にうってつけなので、ぜひお勧めしたい。熊本、広島 、岡山からは無理だろうが。