バッハは小川さん

 

バロック音楽のスペシャリストでバッハの研究者でもある大槻カール晃士さんがいる。

http://vmc-otaru.info/vmc2019/page_02.html

その大槻さんから、自分はアメリカ東部のフィラデルフィアに住んでいること、テンカラファンであること、つり人社の「テンカラHit Vision」を見ていること、愛知県立芸術大学に2ヶ月間招聘されたのでお会いできればうれしいというメールが来た。

なんと県立芸大は私の勤める愛知工業大学から10分とかからない。さらに宿舎は5分の距離である。招聘された先がこんなに近いとは大槻さんにとって奇跡のようなものである。

しかも「テンカラHit Vision」をすりきれるほど見てくれているとのことなので、ぜひ会いましょうと私からもお願いした。

音楽のことはさっぱりわからないが、バッハの時代の古楽器の奏者であり、指揮者でもあるようだ。アメリカで生まれ(アメリカ国籍)、日本の筑波で育ち、今はアメリカ在住とのこと。

さっそくニッシー西尾さんと豊田市内の野原川マス釣り場に行く。アメリカ東部の渓流は日本のような渓流はないそうで、小川を流れるブルックトラウトが対象のようだ。

アメリカでは実際のテンカラを生で見たことがないそうで、Youtubeなどを見ているものの、唯一、教科書にしているのがHit Visionとのこと。ありがたいことである。

キャスティングがうまい。これまで誰にも教わったことがないのに完璧である。何も言うことがない。その他、すべてに無駄がない。そしてなにより人柄がいい。クレバーなので覚えが早いのがわかる。

話がすすむうちにバッハの話になる。バッハとは小川という意味で「小川さん」とのこと。それを聞いてバッハが隣のおじさんのように思えてきた。

さらにブルックトラウトのブルックも小川の意味とのこと。つまり大槻さんは小川さんを研究し、小川で小川を釣っているのだ。

大槻さんにとっては夢のような一日だったようだ。さらにテンカラが好きになり、来年の春が待ち遠しいとのことである。

演奏会で指揮棒の代わりにテンカラ竿で指揮をとり、キャスティング動作を入れるのではないか。そんなことはないでしょう。たぶん。

テンカラの竿、仕掛けなどを買いたいとのことなので後日、3人でエース釣具店に。ここも宿舎から10分である。渓流テンカラ、Packテンカラや友人への釣り土産を購入した。

今回はオフシーズンの来日だったが、来年はオンシーズン、それも5月に招聘されることを願っている。日本の素晴らしい季節に日本の渓流を味わってほしい。