テンカラキックオフミーティング2018(その2) 段戸川C&R区間の設定

 

ミーティングその2は、ClearWaterProject(CWP)の西山さんによる、 釣りチケの紹介とともに、愛知県段戸川のC&R区間設定のプレゼンである。名倉川漁協の取り組みで、段戸川にC&R区間設定を予定しており、その準備として昨年秋から発眼卵放流を行っている。ClearWaterProjectではそのお手伝いをしているとのことである。

発眼卵放流の経過は以下のブログにあります。

http://clearwaterproject.info/2018/01/26/4134

http://clearwaterproject.info/2017/11/16/3724

http://clearwaterproject.info/2017/11/01/3649

https://goo.gl/YWTqbk

https://goo.gl/tiazkn

https://goo.gl/qbivzt

https://goo.gl/jgvNNA

 

以下はプレゼンからの抜粋

 

段戸川(だんど)は愛知県段戸山系から北に流れ、矢作川(はやぎ)に合流する流程30km程度の渓流である。名古屋からもっとも近い愛知県の本格的な渓流である。

豊田市にあり、私の自宅から50分の距離である。上流にダムがなく、人家も少ないので水位は安定し、水もそこそこ綺麗である。漁協は名倉川漁協である。

段戸川は私のテンカラの道場だった。40年近い前のテンカラに夢中になった頃、ここに足繁く通った。お気に入りは153号の伊勢神トンネルを出てすぐに左折し、連谷の集落をすぎた下流である。

終点に車を置き、川を渡る。30mほど上にあるやぶの道にあがり、そこから20分ほど下ったところから竿を出していた。現在はやぶ道はなく、車が通る道になっている。

夜明け前の薄あかりの中で、一人やぶ道を歩くのは怖さもあったが、テンカラが振れる喜びがそれにも増していた。このあたりの渓相は瀬、トロ、渕ありのテンカラ向きで、40年近い前はまずまずのアマゴが竿を絞った。

残念ながら現在は放流も少なく、魚は薄い。言葉は悪いがこの一帯は見捨てられた流域である。そのような段戸川だけにここにC&R区間ができ、それにより渓流魚が増えるなら協力したいと思っている。

プレゼンの意見交換では、発眼卵放流より、親魚放流の方が効率的とのアドバイスがあった。渓流魚の増殖についてまとめたので、興味のある人はご覧ください。

C&R区間を設定する。そう、誰もが思うように密漁者対策である。C&R区間を設定すれば、ここに魚がいますよと教えることになる。密漁者にかかれば、いくら大変な思いをして発眼卵から育てても、砂上の楼閣、砂漠に水を撒くようなものであり、根こそぎいなくなる。

写真のようにC&R区間予定区間には田津原(たっぱら)の集落があるものの、過疎地である。人の目がない。地元の人も関心はないだろう。

対策をどうすればいいか、今後、 名倉川漁協は検討することになるが、漁協と企業の関係だけでなく釣り人のサポートは絶対に必要である。

私からは、C&R区間に対する先行漁協、有識者を交えたイベントや勉強会、釣りの提案をしている。もし、テンカラの集まりの要望があれば、皆さん、ぜひご協力ください。

釣り人は、漁協には魚がいないじゃないか、放流してるのかという苦情ばかりであるが、漁協も大変である。昭和24年、今から70年前に制定された漁業法などのいろいろな法律に縛られている。誰も漁業などしないのに、増殖義務が課せられている。

本業の仕事のかたわら、あるいは仕事を休んで放流しても釣り人からは文句ばかりである。高齢化しているのでシンドイ仕事である。しかも、利益は出ない。正直、報われない。漁業法の実態とはかけ離れているにもかかわらず法律でしか動けないのが日本である。

日本の漁協の組合員は2035年にゼロになるシュミレーションがあることを渓流の未来と入漁券に書いた。この先、どうなるのだろうか。