2000円札

 

北海道から帰った翌日はジェレミーを中部国際空港へ迎えに。ジェレミーはイラストレーターで、Tenkara USAのWEBや本のイラストは彼によるものである。1年ぶりの再会である。

カンサス州から来たそうで、なんと2000円札を持っているではないか。カンサスの空港で円交換したら入っていたらしい。

なつかしい2000円札。2000年の沖縄サミットを記念して発行したものだが、2003年以来、印刷されていないようだ。私も15年ぶりくらいに見たお札である。若い人は知らないので、偽札と思うかもしれない。

それがアメリカにあるとは。あってもおかしくないが、アメリカ人が持っていたことにビックリである。

高速から見る北の空は真っ黒である。宿泊予定の旅館から、すごい雨なので来るか心配との電話。これはテンカラは無理だな。

まず岐阜県郡上白鳥の平田釣り具店に。この日は雨で鮎ができないので在宅である。平田さんは大のヘビ嫌いである。奥さんも揃って嫌いなのだが、マムシ毛バリを巻く。

皮なら大丈夫とのことである。マムシの腹の皮を胴に巻いたマムシ毛バリ。魚も釣れるが、お客も釣れるとのことである。

気のいい平田さんなので「持ってく鮎?」 なんと長良川の天然鮎を10匹。今晩、旅館で焼いてもらおう。

高山、荘川の一色川でテンカラの予定である。一色で十色(テンカラー)の予定が案の定、濁流で真茶色のまさに一色川である。朝までは大渇水だったのに、一気に2mは上がったか。

翌日も水が高く、とてもとても。仕方ないので白川郷へGO。私も行ったことがなかったので、いい機会である。半数が中国、タイなどからの観光客である。

五階建の合掌作りを見学。昔の人の暮らしがいかに過酷であったかわかる。現代に生まれてよかった。

翌日はなんとか竿が出せた。水はクリアだが、20cm以上高水なのでポイントがつぶれ、渡渉できない。さらにダニエルはカメラだし、ジェレミーはヒップブーツだし、ダニエルの奥さんは小柄だし、流されたら大変でなので、2人につきっりである。

こういう日は、ビーズヘッド毛バリで沈めればいいが、なにせ水温は11℃で、通常より2℃低い。出るのは小学生高学年のヤマメとイワナである。

寒い日、暑い日、台風の日に外に出ちゃダメだよという親を無視して、外に出るのは魚もヒトも同じだなと思った次第である。

翌日からは沢のクライミングで岐阜県の小坂に行く予定が、ここも被害の出る雨が降ったので急遽、テンカラにしたはずである。遠路、アメリカからの遠征が雨にたたられ気の毒である。