芝川は今日も雨だった

 

富士宮、芝川の講習会は天候に恵まれたことがない。なにかしら雨になる。晴れれば冠雪した富士山が見えるのだが。

26日の講習会は自宅を出るときからすでに雨。高速道路では雨雲の後を追いかけ、下を走り、着いた芝川も当然雨。

組合長の話では、今年になって初めての雨とのこと。それが今日。なんということだ。運の悪さと○の臭さ。

雨でなければ20名は超えたろうが、参加者は12名である。雨雲レーダーでは終日雨である。芝川までの途中に、朝起きたら雨なので今日は止めますというメールがいくつか。

それはそうだろう。ベストシーズンなら雨でも出かけるが、3月の雨なら私だって止める。

今回は遠方からの新参加者が、千葉から、埼玉から、愛知から。バーブレスフック普及協会のタツおうさん、ノムリエTさんは4/22、23の小菅川の紹介も兼ねての参加である。

講習を受けるのは千葉から来たKさん1名である。顔が怖い、本当に怖い、重ねて怖い藤原さんが講師をかって出てくれたのでおまかせして、今日が初めての人のアドバイスにまわる。

講習会のために前日、漁協がアマゴとニジマスの放流をしてくれている。アマゴは尺クラスとか。放流がなければ講習会にはならない。

なにせ誰も竿を出していないので、釣り始めはバカバカである。尺アマゴの連発。広い淵には尺クラスから50オーバーの魚の影が無数である。

誰もが数匹釣ったころから、食いがパタッと止まる。毛バリにスレてきたのだ。これはいつものお約束。

そこでどうするか。毛バリを換える、誘いの速度とパターンを変える、禁断の餌に換える、石を投げるなどいろいろアドバイス。

寒い。気温6℃、水温12℃なので手は水に入れた方が温かい。近くの山は雪だろう。3月も末というのに今年の春は遅いぞ。どうした春。

昼です。ごはんです。寒い、寒いといいながら、かじかむ手でお昼を食べる。お昼は食べられないので昼食をとる。

大物1匹の長寸で表彰式なので、87cmのニジマス、などと誰か言わないかと期待したが、尺上アマゴがほとんどで大会にならず、今回は遠路から来て距離の遠い人4人が揃って優勝となった。距離で決まる方式である。

さて、午後の部である。この雨なのに止める人は誰もいない。皆、テンカラ馬鹿である。

午後は淵の上流の瀬に入ることにした。尺クラスが流芯でライズする。瀬ではすでに一等地の縄張り争いで、追いかけっこをしている。放流魚でも体長で優位が決まっているのだ。

放流ものとはいえ尺アマゴの連発は面白い。2時半ごろから、小さい虫のハッチがあり魚の活性があがる。毛バリを16番にして、できるだけ小さくなるようにハックルをマルガリータにする。

この毛バリで連発である。30m区間を上下して12匹だった。もし天然アマゴの尺クラス12匹なら狂喜乱舞、発狂のあげく昇天するだろう。

重ねて放流ものとはいえ釣れれば面白い。瀬の中の尺アマゴが毛バリを追ってきて、くわえるまでの一部始終が見えるのは、天然ものではそうないだけに、見て掛けるテンカラの楽しさを味わえるのも、ここならではである。

雨の止み間がまったくない冷たい雨の一日だった。すっかり冷えた身体は家について家内を見たとたんに凍りついたのだった。

10月にも芝川講習会を予定している。今度こそ晴天の下の講習会にしたいものだ。