講習会 in 住宅展示場

 

東京は暖かかった。

やっぱり今年、全国で一番早く桜が開花したのも東京。3/19の新宿住宅展示場のハクモクレンはすでに満開だった。

住宅展示場でテンカラの講習会? なんで? 私も最初はなんでやねん?と思った。イベント会社の社員がテンカラのファンということで、ぜひ客寄せにテンカラの講習を、となったからだ。

新宿の住宅展示場は都庁が覆いかぶさるように近い。今日はあの中で豊洲問題の百条委員会をやっていると思いながら、参加者を待つ。

展示場を見学する人達がすごく少ない。3連休の中日で天気もいいので、行楽にでかけたのだろうと思ったが、イベント会社の話では展示場に来る人はもともと少ないらしい。

参加には予約が必要である。テキトーな人が多いテンカラマンは、予約なんて面倒なので参加者は少ないだろうと予想するが、時間になるとポツポツと。

この日は早咲きの桜で来てくれたマッチーさんを始め、小菅川の講習会のPRに駆け付けたバーブレスフック普及協会のタツおうさん、西山さんなどで延べ10名程度であった。

フライ15年でテンカラを1年やったところ、テンカラにはまった人。子ども連れの主婦、テンカラってよくわからないけれど来た人など。少ない人数なのでじっくり話ができ、毛バリ巻きも一人で数本巻くだけの時間の余裕がある。

風が結構ある。花粉症が心配だ。十分、薬を飲んで、1時間おきに目薬ポトポト、点鼻薬シュッシュで乗り切ろう。

うち3名の人は、ありがたいことに大王の大ファンということで、終わったら食事しましょうということになった。

夜の新宿、池袋。はるか半世紀前はこのあたりは目をつむっても歩けたが、今では人の多さと密集したビル、若者の声の大きさにオドオドして歩くばかりである。

時は金なり、土地は金なり。東京の店はどこも狭い。ノンアルビールをしこたま飲んで東京の夜は更けていった。

翌日は高島平(たか、しまへい)ではなく、たかしまだいらの展示場で講習会である。展示場を見学する人が新宿に比べて断然少ない。駐車場はガラガラで誘導員も手持ちぶさたである。

新宿であれだけなので、今日の参加者はもっと少ないだろうという予想があたって今日は5名、うち女性が1名である。この女性、仲間と管理釣り場で餌釣りしたところテンカラが面白そうだったので、管理釣り場でテンカラしたくて参加したとのこと。

実に憶えがいい。毛バリ巻きはサラッとマスター。キャスティングもすぐできる。というのは昨晩、食事したうちのキャリア2年の2名がみっちり教えてほしいと今日も参加したのだが、その2人よりもキャスティングが上手いのだ。

とても今日が初めてとは思えません、上手です・・と褒めたが、電話番号を聞き出すまでに至らなかった(笑)

2人にキャスティングをみっちりレクチャーする。ともにレベルラインを使っているが上手く飛ばない。ピックアップは竿を12時の方向に突き上げるように、と言っても竿が1時35分ぐらいまで倒れてしまう。

力の入れ方、タイミングなどは口では説明できない感覚なので、それをつかむまでに個人差がある。いわゆる運動神経の違いだ。

竿の違いも関係する。それまではシマノの渓流テンカラZLを試しに振ってもらったが、Eさんは12時と言っても1時半から2時まで倒れてしまうチカラを込めるタイプである。

そこでシマノの渓峰3.6mに換えた途端にピタッと決まるようになった。竿の後ろへの曲がりが少ないので、フォワードキャストへのタイミングがドンぴしゃ合うようになったからだ。

友人のKさんはチカラを入れないタイプである。振り幅を小さく、小さくして12時→10時になるとピタッと決まるようになった。Kさんには渓流テンカラがフィットする竿である。

キャリアを積めばどんな竿でも振ることができるが、チカラの強弱、タイミング、描くイメージの違いは人によって違うので、どんな竿でもいいわけではなく、上手くキャスティングするには自分に合った竿がある。

テンカラの半分はキャスティング。キャスティングができればテンカラの半分ができたようなものである。テンカラは釣りの中ではキャスティングが飛び抜けて多い。仮に10秒に1回キャストすると、1分間に6回、1時間で360回、5時間で1800回である。1日やれば少なくとも1000回は振るだろう。

だから竿選びは大事である。2人はともに自分に合った竿に出会えたことでこれまでの2倍釣るようになるに違いない。タブン。

さすがに2日間、屋外だったので目が真っ赤なウサギ目で自宅に辿りついたのだった。そうそう、家に帰ってノムリエさんから戴いたノンアルコールワインを飲んだ。要は葡萄ジュース。美味い。肝心なものが入っていないとワインは こんなに美味いのだ。

そんなのワインじゃないと声が聞こえたような。