ムサテンからトラウトフェスタへ(2)

 

朝5時にシマノの車で護送され、埼玉県川越のトラウトフェスタ2017の会場に着いたのは6時半。

例年なら初冬の寒さだが、風のない暖かな朝である。もっともこれは暑がりジェイソンの私だけの感覚かも。道中、早朝のうすあかりの中、煙突から立ち登る煙がまっすぐに、そして高くまで。無風だ。

このフェスタでシマノの人になってもう10年以上だろうか。これまで一度も雨になったことはない。やはり私は強い晴男なのだ。

フェスタはサンスイの主催で、スペイの釣りが中心である。すでにダブルハンドでロングキャストする人達もいる。 ロングキャストは難しいのでそれだけに面白いだろう。

実際の釣りではロングキャストする人の足元に魚がいることもあるので、遠くにキャストすれば魚が釣れるわけでないが、遠投できる技術があることは釣りの幅を広げることになる。

この点、テンカラだってロングキャストできる竿と腕があれば本流も射程範囲になり楽しみの幅が広がる。

イベントは名だたるスペイキャスターのデモがあるのでデモを見る人、掘り出し物を買う人でにぎわう。

ただし、テンカラはシマノのブースが一つである。今回、テンリュウが赤竿の風来坊を展示していただけなので、フライに囲まれてテンカラは完全アウェイである。

それだけにシマノのブースに大勢来てくれるだろうか、私のデモに来てくれるだろうかと、気の小さい私は前の日から心配するのだった。

 

 

9時の開場前にすでに300人ぐらいが並び、開場と同時にいちもくさんにお目当てのショップへ。掘出し物がたくさんあるイベントで、シマノではPackテンカラが今回の目玉である。

開場と同時に来てくれたのが吉田毛鉤会の吉田さんである。 例年、顔を出してくれるのでありがたい。さっそくPackテンカラを振ってみて「この竿いいです」と絶賛である。

吉田さんは竿にも豊富な経験があり、最近は金剛(櫻井釣具)のオリジナルカラーを出したばかりである。吉田さんのフィールドとする源流には3.1-3.4mのズームはぴったりとのことである。

今年は若い女性のお弟子さんと一緒である。紫のダウンが良く似合う。私もこんな若い女性のお弟子さんがほしい。若いっていい、は家内の前では禁句である。 「いくつになっても若いのがいいのね。悪かったわね婆さんで」

その後もたつおうさん、ノムリエさんをはじめとして、知り合い、縁者、親戚、親兄弟、通りがかりの人までシマノのブースに寄ってくれて、Packテンカラの試し振りである。

試し振りには10回振ると買わなければならないというルールがある(はずがない)のも知らず、皆さん振っている。

12時からは私のデモである。持ち時間は30分。時間内に話すことは話し、キャスティングデモもしなければ。

今回はPackテンカラの発売により、渓流テンカラ、本流テンカラでテンカラ三兄弟になったこと、Packテンカラは源流だけでなく、山登りや出張のお伴にぴったりであることを紹介する。

今年もテンカラウィルスのついた粗毛バリを1本ずつどうぞ。「すみませんがそこの人、ひとつかみではないですよ」

心配したデモも、昨年を上回る押すな押すなであった。「押さないでください」と声が出るほど集まり、テンカラに興味を持っている人がさらに増えているのを感じたのだった。

前夜の忘年会で飲みすぎたムサテンのメンバーも駆けつけてくれて、枯れ木も山のにぎわいである。あ!ムサテンのメンバーが枯れ木という意味ではありませんから。 そんな人もいますが。

ムサテンのデジBook 軽快なBGMで釣りと忘年会を紹介

午後のひとときバーブレスフック普及協会のメンバーと来年の小菅の講習会について相談である。来年もやることになった。4回目である。

日にちは4月21日-22日。たつおうさん、ノムリエさんなどのバーブレスの若手メンバーが中心になって企画する。参加者の敷居を低くするために、テンカラセットをレンタルしたり、運動靴でできる講習にする予定である。

終日、シマノのブースを訪ねる人が絶えないイベントだった。フライのエキスパートの佐藤成史さんのタイイングがあった。

佐藤さんはここ数年、テンカラをやっているので逆さ毛バリも巻いていた。さすがにエキスパートだけあってバランスのいい逆さ毛バリである。佐藤さん、私の粗毛バリを見てどう思うだろうか。

4時に撤収。例年ならこの時間になれば寒いが、この時間になっても私にはシャツ1枚でいい暖かさ であった。20℃を越えると汗が出て活性がなくなり、14~15℃で活性するので、まるで渓流魚のような体質なのだ。

今日はここから大宮→東京→名古屋と新幹線を乗り継いで豊田の自宅に帰る。

一旦帰って、明日からはNHKBSの「超人たちのパラリンピック」の撮影でまたまた東京へ。明日からはテンカラ大王から大学の先生になる。服装も 、言葉も頭も切り替えなければならない。オヤジギャグは封印である。