バタバタの1週間

 

桜の花が散り、藤の花のたよりもチラホラ。藤の花が咲けばテンカラシーズン突入である。シーズンを前に講習会が続くバタバタの1週間だった。

釣りチケ講習会

4/12(水)は釣りチケの社員6名と「ネットで読めるテンカラ釣りの入門書」のFさんが日帰りで東京から参加。都合7名の講習会を地元の名倉川で。西尾さんがサポートについてくれた。釣りチケから入漁証を購入できる漁協が次第に増えている。私も西尾さんも名倉川の年券をパソコンで購入した。

当日は前日までの雨で増水し、低水温の上に風が強いという苦戦の日となったが、全員がテンカラウイルスに感染して、仕事そっちのけでテンカラに走るのではないかと心配である。当日の様子はこちらで。

 

公開講座「釣魚悠遊」毛バリ巻き講習会

4/7、14、21は大学の名古屋本山キャンパスで毛バリ巻き講習会である。3回ともベテランの西尾さん、久保さんが毛バリ巻きをサポート。テンカラの歴史、魚の生態などの話の後、毛バリ巻き、仕掛け作りである。

最初は誰でも初心者。巻くほどに上手くなる毛バリ巻き。オリジナルな毛バリが巻ける頃には実釣もまもなくである。4/29(祭)に石徹白で予定。公開講座参加者が対象だが、誰でも参加は No problemである(写真は久保さん提供)

 

群馬・渡良瀬川講習会

14日の公開講座が終わってすぐに新幹線に滑り込んで新横浜へ。難民の移動のような倉上さんのワンポックスに拉致、陸送されて桐生についたのが深夜2時。翌日から渡良瀬川のC&R区間でテンカラである。

昨年は面白いように釣れたが、今年は何かおかしい。両毛漁協の中島組合長の話では、本来飛ぶはずの虫がハッチしないとのこと。唯一、飛んでいるのがミツバチである。ミツバチハッチ。

誰も釣れない。何も釣れない。これはダメだと昼寝して夕方に期待するが、夕方もダメ。そうならばと「ナポリの食卓」のピザ食べ放題に期待するしかない。

食べた、食べた。群馬は粉物文化なのでピザも美味い。え? もう食べないの? そこから呆れるほど食べて、桐生の夜は深けて行った。

翌日は2名の講習である。青大将が泳いで川を渡る。なんだか身体が重そうだ。Heavyだからね。

前日と変わる要素がないので案の定、午前中はウンスンである。午後は実釣のお手本を見せるということで私も竿を振る。すると、すると、出た!  これはでかいド。40オーバーだ。土手のギャラリーの視線が背中に刺さる。慎重に寄せ、ハリスをゆるめ、やり取りしてタモ入れ寸前にプッツン。

やっちまったよ。ハリス0.8号、しかも前日使ったハリスそのまま。こんなサイズと思わなかったというツメの甘さである。1号にしてハリス交換していれば。

その後に1匹。これは35cm程度だが、背中が青緑でピカピカの体側、ヒレはピン。これは本物か? これも取り込む寸前にパラ! アラ! そんなこんなでネットを濡らすことなく終わったのだった。

この日、一緒だったKさんは元日本航空のパイロットとのこと。沈まぬ太陽の国民航空である。DC8とジャンボを操縦していたという。御巣鷹に落ちた飛行機を前日まで操縦していたそうで、一日違えば自分だったかもしれないとのこと。大勢の人とテンカラで知り合いになったがパイロットの人は初めてである。

夜の飲み会のとき、ノンアルが切れたとのこと。似たようなものだというのでホッピーを注文。グビグビ飲んでいたが、どうもおかしい。顔が火照るし、息が上がる、脈が早い。よく見ると0.8%アルコールが入っているではないか。

2本目を飲まなくてよかった。店長は「ホッピーにはアルコール入ってないです」 店長だろう? それくらい知っておけよ。2本飲んであやうく死ぬところだったんだぞ。

 

Fishing Cafeの取材

よく17日から金沢へ移動してFishing Cafe(雑誌)の取材である。加賀竿を復活した中村さんの工房を訪ねた後、テンカラ竿を加賀テンカラ毛バリとともに発売することになった目細八郎兵衛商店を訪ね、テンカラ毛バリの系譜を研究している京都の藤岡さんと対談すると言う企画である。近くの渓流で釣り風景も撮りたいとのリクエストも。

目細商店の創業はなんと天正3年(1575年)とのこと。織田信長の時代である。現代の当主は二十代目とのことである。ウキペデイアの日本の老舗一覧には歴史の古い老舗がたくさんあるが、その中でも440年続く店は少ない。近くの通りは目細通りの名前がついていて歴史の古さを物語っている。

渓流でテンカラ風景をということで、地元のテンカラ仲間の渡邊さんが釣り場探しの結果、浅野川の上流部を選定してくれた。が、なんと前日にかなりの雨が降り、雪代が流れ、増水と低水温でパッとせず、小さいイワナを釣って撮影を終了したのだった。

金沢の都心から40分で浅野川の上流部である。雪があるうちに餌師に抜かれ、雪解けの頃は魚がいないとは渡邊さん。踏み跡もくっきりで、多くは期待できないと納得したのだった。

20(土)21(日)はバーブレスフック普及協会主催の小菅川の講習会である。19日の毛バリ巻き講座が終わってまた新幹線に滑り込む。渓で滑らないようにここで滑っておこう。