開田高原二題

 

その1.ブラウンの繁殖

毎年、下界の暑い夏を避けたテンカラは開田高原である。標高で1200mなのでともかく涼しい。お盆過ぎにはコスモスが満開である。モスモス、この花はコスモス? 

街道ではトウモロコシが売られている。朝は15℃にも下がり、寒暖の差が大きい開田のトウモロコシは実に甘い。私の奥さんはモロコシ女なので、開田のトウモロコシの評価が高い。トウモロコシをハーモニカを吹くように食べる。歯には食べカスが一杯。そんな顔でこっち見て笑うな。

開田高原の末川の小学校裏は別名、激戦区と呼ばれている。木曾街道の19号線から開田に向えば最初に出会うのが末川で、しかも最初に出会うポイントらしいポイントであるからだ。

その末川も、両岸の木が茂りせり出してきたので、ひところと比べ川が狭くなっている。ここ数年、大水が出ていないからのようだ。大水が出ると岸を削り、根こそぎもっていくのでまた広くなるらしい。

その末川にブラウンが繁殖しているようだ。下はプチビラMTおんたけのオーナーで監視員でもある鈴木さんのFacebookからである。どうやら誰かが密放流したようだ。先日、出会ったフライマンは小学校前で28cmのブラウンを筆頭にブラウン4匹、イワナ1匹とのことだった。

外来種であるブラウンの繁殖力は強く、長野県の梓川ではイワナ、ヤマメが駆逐され、ほとんどブラウンになってしまった。ブラウンは日本の渓流にはいてはいけない魚である。もしブラウンが釣れたらリリースしないようにしましょう。

密放流は犯罪である。警察の導入が必要ではないかと思う。

緊急告知です
ここ数年木曽川漁協開田支部管轄エリアの末川でブラウントラウトの生息が確認されています
監視で話を聞くと大屋橋から小学校前でよく釣れる事が多く、今年はさらに多くのブラウンが確認されています
明らかに誰かが違法に放流したブラウンです
ブラウンが増えるとイワナやアマゴが激減するのは梓川や犀川の例を見ても明らかです
C&Rする釣り人の皆さんにもブラウントラウトのキープをお願いします
家に持ち帰りたくない人は陸の見えないところに放置してもらってもかまいません
今対策を講じなければ大変なことになります
開田高原に釣りに来る方々にご協力お願いいたします

 

その2 岡田美里さんのテンカラ

雑誌「Fishing Cafe」の取材で、タレントで実業家でもある岡田美里(みり)さんにテンカラを教えるという企画が8月23-24にあった。テンカラはまったく初めてなので、スレッカラシの開田の魚が釣れるか心配したが、見事数匹釣ったのでホッ。

キャスティングが半分のテンカラである。ところが覚えがいいので、そんなに苦労しないで実釣に入ることができた。

毛バリ巻きでも私が1回見本を見せただけで、こうしてからこうすると先に手順を口に出してから巻きに入る。頭の中が整理されている。さらに手先が器用なのであっという間に巻くことができた。

夜はプチビラの芝生の庭でバーベQである。飛騨牛は一人250グラム程度らしいが、美里さんやマネージャーさんが私たちの分もと分けてくれたので500グラムはいけたのではないかと思う。

55歳だそうである。我々にはわからないタレントとして、私生活でもいろいろな苦労を重ね、酸いも甘いも経験した人なので人生ふっきれたような 、さっぱりとしてきさくな人であった。

その場で私の「超明快レベルラインテンカラ」をアマゾンでポチしてくれた。渓流テンカラZLも注文して、これからテンカラをやるとのことである。

ちょうどその日、つり人社から「超明快レベルラインテンカラ」が三刷になったと連絡があった。累計で9000部ではないかと思う。ありがたいことです。

岡田美里さんの釣り風景は鈴木さん撮影