こうしたら釣れた犀川 

 

松本出張の夜、松本近在のテンカラ仲間たちで今年初の忘年会。

翌朝8時、犀川を眺めながら走る。ダムの放流だろうか犀川はうっすら笹濁りで、30cmほど高水である。濁り、高水を理由に釣れない言い訳をはやくも準備する。

今回は総勢6名で全員が新旧のシマノ本流テンカラである。

旧の本流テンカラZEの「ZE」は絶対いい。新の「NP」は世界に誇る日本のテンカラ竿の意味のニッポンである。というのはウソである。ウソと断らないと信じる人がいるので、ウソです。

日曜とあってどこもかしこも人だらけ。6人一緒に入れる場所は限定されるが、なんとかスポット的に空いたところがあった。朝9時からの午前中にもかかわらず三々午後、竿を出す。

前回の反省からいろいろ工夫した。一番はダウンショットである。一番下にオモリをかます方法でこれは激釣王のTカメラマンから教えてもらった方法だ。

水深、流れの強さ、底石を考えながら2B、3Bのかみつぶしをつけた胴づき仕掛けである。ハリとオモリの間は流れをみて15〜20cmにする。

オモリがゴトゴト、コツコツ、底をとっているのがわかる。ということは底から10cmあるいは、もう少し上を毛バリが流れているはずだ。

底べったりで、しかも食いは浅く、口の前に来た毛バリしか食わないと思うのでこれはいい。根がかりしてもオモリが噛んでいることが多いので毛バリの消耗は少ない。

しかし、毛バリを替え、オモリを替えてもアタリなし。またしても・・か。

昼あがりで集まるとなんとGの男が43cmのブラウン、マウンテンバンク(山岸さん)が40cmのニジを釣ったという。ともに犀川は今日が初めてなのに。5回目の私は少々あせる。

昼食は信州ソバとおやきにする。あんこ入りのおやきだが、皮がフワフワで饅頭のようである。広い信州、おやきといってもいろいろなものがあるらしい。

1時から再開。陽も差してきて活性が上がりそうな予感。予感が的中した。2時頃から3時半まで放流ものであるが、40cmと43cmのニジマス。他に2回の合わせ切れである。3時半、陽が傾くとピタッとアタリが止まる。ウエイダーを通して水が冷えたのを感じる。

次のようにした。

・ハリはハリ先の長いルアーのハリをバーブレスにする。深く刺さりそうな形状である。これにタングステンを1つ。胴に黒い毛糸をまいて、木綿糸で止めたもので、黒川虫をイメージした毛バリである。ラインは3.5号6m+ナイロン1.2号を1ヒロ。

・水深、流れの速さ、底石、かけあがり、先行者などから食い筋はどこかを考える。1投ごと10〜20cm刻みで筋を変え、食い筋を考えながら、流れに並行にできるだけ長い距離流す。ラインはかなりたるませる。

・ゴトゴトと底をとるようにオモリを調整する。

・アタリは小さい。ラインが根がかりしたようにもたれる。うん? 根がかりか?と感じた直後にコッというかすかな手感が来る。先回のようなガツンとひったくるようなアタリがないのは活性が低いからだろう。

・1.2号で合わせ切れが2回。気が入り過ぎだ。本流テンカラNPはパワーがあるので、軽い合わせでも十分フッキングすることはわかっていても、握力60kgの腕力が強すぎる。左手でちょうどいいかもしれない。

マッチーにダウンショットを薦める。とたんに押しの強い瀬でかける。今日が初めての犀川なのでオマッチーしていました。強い流れとニジマスのパワーで竿が満月にしなっている。Gの男がランディングに入るが魚は寄らない、マッチーは下がれない。

Gの男が転ぶ。危ない! 流されたら巨体のGの男をすくうタモは巻き網漁船の網しかないぞ。濡れながらも3分以上かかってやっとゲットである。45cmの太ったニジマスであった。

この日、私以外は全員、犀川は初めてだった。6人で7匹。ニジマス5匹、ブラウン2匹。殖産のタグのついたピカピカのニジマスを期待したが、放流ものなれど大満足である。どの魚もメタボに太く餌が豊富なことがわかる。

この日は同じ場所に餌、ルアー、フライが入れ替わり入っては出て行ったが、いずれも竿が立たずテンカラが一番釣れていたように思う。

テンカラで犀川の攻略法が少しわかったように思う。それが本当かどうかは次回に試されるだろう。