神戸大学テンカラ同好会発足

 

神戸大学准教授のM先生(Mさん)は、あるとき突然、神の啓示によりテンカラを始めた人である。長野県根羽川のテンカラ講習会にはるばる奈良県から2回も参加し、すっかりテンカラウィルスに感染した。

テンカラ熱が上がったことにより同僚に、また指導している学生に「テンカラは面白いよ。始めない」と薦めるに至り、とうとう同僚の先生2人、学生5名をひきつれて奈良県天川で合流したのだった。

この日のために全員、竿とウエイダーを買ってやる気が目の輝きに出ていた。Mさんが用意した毛バリにくわえて、濃厚なウィルスがついた私の毛バリを配った。1つ300円だが、現場売りなので450円である。お金はカードで払うというので面倒なのでタダにした。

この日の天川はダムの取水で大渇水。プールに泳ぐ魚は無数に見えるものの、瀬には出ておらず、苦戦は目にみえていた。

が、しかし学生といえども4年生、大学院生、博士課程で学位を取得した人もいて、さらにその指導教員である。頭脳明晰で、砂漠に降る雨のように教えることをあっという間にマスターし、しかも自分でアレンジするなど、その上達はめざましい。

大渇水で、なおかつ土日の2日間という釣り人の多い中で、初日だけでツ抜けは言うに及ばず、大物をかけるなどでテンカラをおおいに楽しんだのだった。

参加した教員と学生全員から、楽しかった、続けたいというメールとともに神戸大学テンカラ同好会を発足させ、大学内でテンカラを広めることになったというウレシイ連絡があった。おそらく、今後、神戸大学の教員、学生たちは、ジワジワとテンカラウィルスに感染するであろう。学業に支障が出なければいいが。

学業に支障が出たり、ときには人生を狂わすほど、感染力があることをまだ知らないのだ。

怖!