平谷湖特別解禁

 

11月1日(日)は平谷湖フィッシングスポットのテンカラ特別解禁の日だった。呼びかけに集まったのは講習会の始まる10時頃に30名+犬1匹、その後10名弱が来て総勢40名程度。

遠くは神奈川の横須賀から、長野は上田から、果ては岡山から。岡山は果てかと言われそうであるが、ここから来た人はわざわざではなく、このあたりを徘徊 、ではなかったアマゴの縄張りパトロールのように巡回しているのだが、この際は岡山からとしておこう。

管理人の服部さんによるバーブレスフック、リリースネット、リリーサーの使用などスポットでの注意事項の後、私から周囲の人に迷惑をかけないテンカラの注意点について簡単に説明。

・竿を横に引くことが多いテンカラではどうしても隣の人に竿先が 向く。これは不快に思われるので、周囲の人に竿先が向かないように気をつけよう。

・ランディングやハリを外すとき、竿を横に置くと踏まれるのでトラブルの原因になる。竿を置くなら竿を縦に置くとか肩にかつぐなどでトラブルを避けよう。

ポンドの釣りのデモは無州さんにやってもらい私が解説した。無州は本名である。ムッシュとも呼ばれている。若い。なぜなら無臭だからだ。加齢臭がしないのだ。

それまで大勢が竿を出していたが、講習の間だけは湖面は静かである。すると毛バリを打つにつれ、次第に湖面がザワザワしてくる。

そこだけに毛バリが打たれるので、毛バリの刺激で魚が寄り、魚が寄ることで他の魚が「なんだべぇ?」と寄って来て湖面がザワツクのだ。波紋が集まり水面が盛り上がっている。

つまり捨てバリなのだ。打って魚を寄せておいてそこにポンっと打ってヒット。無州さん入れ掛かりである。これができるのはフィッシングスポットには実にたくさんの魚が入っているからだ。

実釣ではエキスパートエリアを囲むようにグルリとテンカラである。初めだけは毛バリはなんでもよかったが、頻繁な四方八方からの毛バリに次第にスレてくる。

そこで毛バリはどんどん小さくなる。18番を使っていた塚原さんは「振りむけば塚原」状態である。塚原さんの方を見ればいつも取り込み。

水谷さんは20番で入れ掛かりである。色も形も関係しないがサイズが決め手である。私も16番のハックルをマルガリータにして胴だけの毛バリ?でクイクイ引けば入れ掛かりになる。

テールがあればいいかと思って、やすさんの子どもにピンクのテール毛バリを使ってもらったが、テールがあるとくわえない。カットしてサイズを小さくするとパクっとくわえる。

子どもたちは本当に楽しそうだった。魚がたくさん見えるうえに、魚が毛バリをくわえるのも離すのも見え、くわえた瞬間に合わせをするというテンカラの醍醐味を体感するからだろう。テンカラの面白さを感じるのに年齢は関係ないように思える。

ク抜け(100匹)した人も大勢いたので、おそらくこの日だけでテンカラで軽く1000匹以上は釣ったのではないだろうか。釣れ過ぎである。リリースとは言え魚は痛むので管理釣り場でテンカラ禁止になる理由の1つと思う。

なぜこんなに釣れるのか何度も書いているが、日頃ルアーとフライの毛バリは見ていても、クイクイ動く毛バリを見たことがないからだ。魚は手がない。「オヤ?これなんやね?」と手の代わりに口で確認するからだ(タブン)。だから、みんながテンカラでしかも連日攻めればスレてしまって釣れなくなる(ハズ)。

特別解禁は今回だけである。来年から平日のみテンカラをOKとするようだ。果たしてオンシーズンの平日、テンカラをする人がいるだろうかと正直思う。ルアーやフライの人は管理釣り場(エリア)でしか釣りをしない人が多い。服部さんの話ではすでに半数以上ではないかとのこと。

しかし、テンカラの人はシーズンにはほとんど渓流に出かけるからだ。もちろん将来的にはオンシ−ズンもスポットだけで楽しむ人も増えるかもしれない。

平谷湖フィッシングスポットのいいところは景色のいい広々とした環境で入門者や女性、子どもたちが安全にテンカラを楽しめることだ。そう考えるといつでもテンカラがOKになればいいと思うが、一歩、一歩なので最初は平日解禁、やがていつもOKもありかなと思う錦秋の平谷湖である。

写真:平谷湖フィッシングスポットおよび参加者より