あれから30年

 

今年はNHK「ウルトラアイ」が「川釣り大研究」のタイトルで、テンカラ(当時はテンカラではなく毛バリ釣り)を紹介して30年になる。私も30年になるとは気がつかなかった。たしか1985年だったよな。ということは30年前?と最近になって知った次第。

当時ウルトラアイは人気番組で視聴率20%台だったようだ。私のテレビ初出演だった。アマゴ、イワナ、ニジマスが毛バリをくわえている時間の計測、魚が出たのを見て合わせるまでの時間を比較して合わせを検証するなど、それまでの私の実験を映像化したものである。

今でこそ超スロー映像はあたり前だが、当時はアマゴが毛バリをくわえ、吐き出す瞬間をスローで撮るには大がかりな最先端の技術が必要で、撮影場所の滋賀県醒ヶ井養鱒場に撮影機材が集められた。

スタジオでは『右田の逆さ毛バリ』の右田さんが一緒だった。当初は山本素石さんの予定だったが、収録前に九州の椎葉で足を捻挫してしまい、急きょ右田さんになった次第である。素石さんに会えるのを楽しみにしていたが、これ以降、会う機会がなかったのはしごく残念である。

右田さんは風体からはテンカラが好きなお爺さんだが、国際弁護士で活躍している人だった。右田さんも素石さんもすでに亡くなり、彼らを知る人も少なくなり、刻の流れを感じる。

今、あらためて映像を見ると私もメチャ若い(当然だけど)。30年も前に、よくこんな実験をしたものと思う。当時はアイデアがあふれ、それを実現する余りある体力があった 。

私も次第に先達に近い年齢になりつつあるが、昔のことよりこの先のことを考えたい。まだまだやりたいことは一杯ある。渓流釣りの半分をテンカラにしたいという夢の実現である(まだやるのか、という声が聞こえたような)

ウルトラアイのDVDのコピーあります。

30分番組です。当時はほとんど30分でした。コピーを希望する人はメールでお知らせください。お金はいりません。貢物もいりません。30年前の私を見ても仕方ないですが、魚はこうして毛バリを吐き出すのか、その瞬間はみものです。ひもの、好きです。貢物のことではありません(笑)