フライフィッシングに学ぶ

 

フライの内山さん、息子さん、Iさんと長良川で竿を出した日は、期待した雨にもならず、続く晴天で川は減水し、白い平水線が水面より10cm上にくっきりと引かれていた。

しかも晴天とあって多くは期待できないことは予想できたが、今日は釣りよりもフライフィッシングをまじかで見て、テンカラに採り入れるところがないか、その期待の方が大きい。

内山さんとの釣りはほぼ初めてのようなもので、ましてや息子さんやIさんの釣りを見るのは初めてである。息子さんは30を越え、フライ一筋のようでブログを見ると冷静に状況を観察し、最適なテクニックを繰り出す、つまり腕がいいことがみてとれる。

とっくに「おとう」を追い越しているに違いない。息子と一緒に同じ釣りができ、しかも自分を追い越していったことは父親としてこんな喜びはない。

フライフィッシングをじっくり見て話を聞くのはほぼ初めてで、逆にテンカラを見るのも初めて。お互い釣り方は違っても毛バリで釣るのは共通で、自分の釣りに得ることが多いはずだ。

むしろ、人の釣りを見て、学び、自分の釣りに活かした方がいい。「転がる石に苔はつかない」今よりもさらに一歩前に進みたい。

今回、学んだことがある。

内山さんが15mのロングキャストしてドライで出した。毛バリは10番のエルクヘヤカディスのドライで、アフリカ人の視力でなくても見えるポカッと浮かぶ毛バリに、バコンとDVDのヒットシーンのように出た。

ライズはない。活性は低い。私はあんなにでかいドライでは出ないだろうと思っていたが、出た。何なんだ。テンカラでは活性のない日は、小さなハリを使い、沈ませるのが常識だが。

フライにドラグがかからず自然に流れればライズがなくても、活性がなくても出るのだ。今、気がついたのかと言われそうだが、目からコンタクトである。ただ、ここまでになるには長い間のキャスティング練習が必要だろう。

淵の下手からロングキャストした。ポッと浮いた毛バリに「出た!」 フッキングしない。

「なぜ?」

ハリスが毛バリより上流にあったので、合わせをすると毛バリが上流に引かれることになり、くわえようとする魚の口から外れる方向に動くからとのこと。つまり、そうならないようにするために繰り返しキャスティング練習が必要なのだ。

夕まずめになってパシッ、パシッとライズが始まった。これはもらい! 毛バリを流しても出ない。内山さんに聞いた。

「こういう場合の判断は?」

「毛バリのサイズがあっていないから」・・うん、この判断は同じだ

「フライならどうします」

「無視して相手にしない。フライマンの中にはサイズ変更で粘る人もいるけど」

この対応はフライマンのすべてではないだろうが、テンカラ的で「おう!我が兄弟よ」と思ったのだった。

4月からは10番のドライで通していて、これで釣るという姿勢が好ましく、心地よく波長が合うのを感じた釣行であった。今後も一緒に行く機会が増えるだろう。

毛バリはドライに限るなどと、これからは10番のドライで講習会をするかもしれない。影響を受けやすいので。