犀川に再度チャレンジ
 

前回、タモ入れ失敗で逃がしてしまったので、今回は万全の準備をして(つもりで)再度、犀川へ。ウェーディングスタッフも買った。杖のようだが杖ではない。これを杖と呼んではいけない。「何を言ってる。爺さんとうとう杖をつくようになったか」と口の悪い連中に言われそうだが、急流では安全第一である。流されてからでは遅い。

今回もアンパラの山本さんの案内でMTおんたけの鈴木さんと一緒である。鈴木さんは犀川は初めて。今回はフライラインの1号7m、これに5.5号のレベルラインを1m、4号レベル50cmに、ナイロンハリス1.2号を1mにする。都合9.5mの仕掛けである。

ハリは8号にタングステンを4連結し、それをピンクの毛糸で巻いた後に、その上から黒い木綿糸をテキトーに巻いたもの。犀川テキトー毛バリ。ただし、毛バリと言ってもどこにも羽根を使っていない。

山本さんの案内で前回ヒットしたところへ入る。(途中略) まず、コッと小さいアタリ。フム。いるな。つぎのキャストでガツン! それ来た! ところがである。なんとフッキングの瞬間に合わせ切れ。パチッという高く乾いた音に続いて、ハリスがひらひらと犀川の秋空に舞ったのだった。

またやってしまった。ハリスは1.2号で比較的新品。と言ってもこれも10年近く前。しっかり手で引っ張って確認し、アイにハリスを2回通してダイジョブと思ったのだが。

この後、アタリだ。しかし、またまた合せ切れである。2回連続で合せ切れ。さらにその後、1回アタリがあり、ガッと乗ったのだが途中でバレる。なぜ? なぜ? 教せぇて。ヘタに尽きるのだけど原因もあるはずだ。ここでは3打数ノーネットである。鈴木さんも1打数ノーネットで、午前の部はボウズで終わる。

聞けばハリスは2号ないと切られるようだ。放流ニジマスが混じるものの、速い流れの中で野生化しているので、管理釣り場のニジマスとはまったくパワーが違うからのようだ。

午後の部は山本さんがテンカラでできる場所をいろいろ案内してくれる。ここで20cmもないブラウンが2匹。「お父さんを呼んで来なさい」と言い聞かせてリリース。「おとうちゃーん、オジサンがいじめた」と泣きながら帰っていったが、「俺の子どもに何をした」とお父さんは文句を言いに来なかった。

ここで山本さんヒット。40cm弱のピカピカのニジマスだが、昨年の放流物が野生化したのでないかとのこと。

その後、私にもヒット。ここは流れも緩いしこれはもらったぞ。ムフッと寄せて来る。パラ! あれ? ばれた。何度も根ががりしたハリを一日中使っていたのでハリ先が朝ドラの甘ちゃんだったのだろう。

結果、ブラウンを除いてコッ当たりも含めて、8打数ノーネットである。ハリス切れ2回、バラシ2回で終了。

ウーン課題は何だろうか? 反省点と次回の対策を考えてみた。

・まずハリスは2号が必要。

・問題はハリである。渓流感覚のハリ選択ではダメ。山本さんのアドバイスはゲープの広いルアーのハリがいいとのこと。ルアーは新しいハリが次々開発されているので、マッチしたハリがあるとのこと。

・4連のタングステンは必要ない。重すぎて飛ばない。ただし、沈まないと食わないので沈む毛バリは必要だが4つは多すぎた。

・テンカラ竿のクイクイ誘うアクションは有効。ただ、扇状に引いてくるだけでは反応しない。横に引きつつ下流に送り込むような動きを入れること。つまり下流に向ってギサギザな毛バリの動きである。沈んでいる毛バリが浮き上がる演出をくわえるとなおいい。山本さんはこのアクションでヒットさせたようだ。

・長い仕掛けは必要ない。せいぜい10mまで。長いほどトラブルが多く、しかもテンカラ竿ならではのアクションが利かない。

・大きな川であるが、魚だって強い流れに定位していると疲れてしまう。流芯の脇にも魚はいる。腰から膝くらいで底石のある場所ならテンカラでも十分釣りになる。

今回、ランディングできかったもののテンカラでも釣りになることがわかった。テンカラは本来、渓流の釣りであり、超本流はエリア外であったが、仕掛けやテクニックの工夫で射程圏内に入るように思う。

自分自身、こういう場所のいつアタリがあるかわからない広い川で、ここならいるかも?と推理する釣りが好きである。アタリは少ないかもしれないが、やったぜという喜びは大きい。

二度チャレンジしたがまだノーランディングである。そろそろネットにも魚の臭いをかがせてやらなければ。またチャンスがあれば犀チャレンジである。だんだん近づいているのを感じるものの、二度あることは三度あるというから、次回もやってしまうかもという思いがチラッと頭をかすめたつるべ落としの秋の夕暮れ19:30分である。