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			3/22(土)横浜の国際フィッシングショー2014に行ってきた。例年、大阪か横浜のどちらかに行くのだが、今年は春を感じたくて3月の横浜へ。 
			
			パタゴニアがテンカラセットを出すという情報は2月ごろからあった。出すことになったのでブースによってほしいという連絡が前日に。これは寄らなければ。ブースには3種類の竿と毛バリ、そしてシンプルフライフィッシングの本。 
			
			この4月から各店舗で売り出すらしい。日本語に翻訳されている本を手にとってみた。非常にわかりやすくコンセプトが書いてある。テンカラは日本の伝統的なフライフィッシングであり、これをシンプルフライフィッシングと名づけ、これを手始めとして、やがてフライフィッシングに繋げるというものである。 
			
			高い道具と難しい理論により、アメリカではフライフィッシング離れがおきており、とくに若い人がフライをやらなくなっているという。これは数回のアメリカでの体験でも感じたことである。シンプルフライをきっかけとして再びフライに導こうという狙いである。 
			
			竿は8:2から9:1ぐらいの先調子である。一昨年の夏にダニエルの家で、イヴォンが試作したテンカラ竿を見たのでコンセプトはおおまかわかっていた。おそらく、これにフライラインの1番程度の軽いラインを使うのだろうと。 
			
			予想したとおり、ラインはフライラインの1番程度である。これにリーダーをつけて、竿とグリップエンドに着けた仕掛け巻きにクルクル巻いて、竿とラインが一体となっているものである。あとはハリスと毛バリを結ぶだけである。毛バリもセットである。ウイングはないもののテールもついていて、テンカラ毛バリらしくない。 
			
			竿はおそらくグラスが20〜30%入っていて丈夫な印象である。そのかわり重い。色は竹竿をイメージしている。これは2011年にイヴォンとモンタナで会ったとき、彼が20年前に日本人からもらったテンカラ竿だと見せてくれた。その竿はまさに竹竿をイメージしたグラス入りの竿で、先調子である。メーカー名はなかった。 
			
			そして、その竿を使うイヴォンと一緒に釣りをしたが、フライラインをベタッとつけてダウンクロス気味に流す釣り方であった。そうか竿がテンカラ竿になっただけで、フライフィッシングの釣りそのものだと思った。 
			まさにその竿をそっくりそのままコピーして、そこにパタゴニアのロゴをプリントした印象である。 
			
			これはアメリカのテンカラには向いてるかもしれない。なぜなら魚がデカイ。そしてアマゴ、ヤマメ、イワナのような繊細さのないレインボーとブラウンである。レベルラインのような繊細で正確なキャスティングは必要ない。 
			
			フライラインと太いリーダーなので、この仕掛けではラインのおつりがたっぷりあるが、そんなことは気にしない魚が相手である。掛かればパワーパワーでとりこめばいい。そういうコンセプトの仕掛けである。 
			
			もうひとつ。アメリカ人は振り出し竿に慣れていない。初めての人には穂先から出し、手元から仕舞うことも教えなければならない。そんなときにカーボン99%の竿なら、穂先をあっという間に折ってしまうだろう。重くても、折れない竿が一番である。 
			グリップにラインをクルクル巻くだけで、いつでも釣りができる。仕掛け巻きもいらない、まさにシンプルである。 
			
			ダニエルのTenkaraUSAもオリジナルなテンカラ竿を出しているので、バッティングしてしまうが、パタゴニアが出すことで、ともにテンカラの普及に繋がると思う。ただ、シンプルフライとせずにTenkaraとしてほしかったというのが正直なところである。つまり、シンプルフライとすると、永い間には、これは元は日本のテンカラではなく、アメリカにオリジナリティがあると思う人が出てくるからだ。 
			グローバルになるとオリジナルなどどうでもいいのかもしれないが・・・。 
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