2014石徹白フィッシャーズホリデーレポート

 

今年も6月7日(土)8日(日)石徹白フィッシャーズホリデーが開催された。今年で14回になるらしい。第1回から人寄せパンダとしてかかわっているので、らしいと言ってはいけないが、正直、何回目か忘れてしまったので、多分そうなのだろう。

今年は6年ぶりにフライの佐藤成史さんが特別ゲストとして参加した。パワポによる佐藤さんの「C&Rの歩みとこれから -変貌する渓流事情の中で-」はさすがに全国のC&Rにくわしい佐藤さんならではの内容で勉強になることばかりである。

もっと多くの人に聞いてもらいたい内容なので、さしつかえなければパワポファイルをどこかのHPにアップしてもらえれば多くの人の目に触れ、C&Rへの理解が深まるだろう。

2008年、C&R区間は全国50〜55か所だったのが、年々増え、今年の3月現在、全国で60〜70か所あり、最多は栃木県の8か所のようだ。 東北では原発による魚への影響で一時的に県内全域C&Rになった県もあったようで、結果的にC&Rの認知が広がったようだ。

佐藤さんの話では10平方メートルに3匹魚がいれば魚が多い川になるそうだが、石徹白のC&R区間は数えたわけではないが10匹以上いると思われ、これほど魚の濃いところはおそらく日本で随一であろうとのこと。

実際にメチャメチャいるのだ。釣り仲間のTカメラマンが、1日かけて、200m程度の区間を2回遡行して、なんと121匹(125匹とも)釣った。腕は抜群なので、言いかえれば彼の腕によってこんなに魚が濃いことが証明されたわけである。

もちろんすべて釣れたわけではないので、この区間には、この5〜10倍いることは間違いないだろう。これがすべて自然繁殖した魚である。一部あやしい魚 (アマゴ)もいるが、漁協は一切放流していない。

実際に2日目の講習会のとき、こういう場所をエゴと言います、魚はエゴに入っているので、ここに毛バリを落とし、こうして毛バリを流し・・と説明しているときに「お呼びですか?」「呼んだぁ?」と次から次にエゴから出てきたのだ。

何匹ものイワナが目の前2mまで近寄ってきて「おっしゃるように、ここには魚がいっぱいいるんです」とデモしたのである。これには受講者の皆さん、びっくりである。

C&Rの話でウーンと思ったのは、岐阜県ではC&R区間の設定は1つの漁協で1つしか認めないらしい。石徹白にはすでにあるので、管内にはこれ以上作れないとのこと。ところがこれには根拠がない。なぜなら県によって、例えば群馬県の神流川(かんな)漁協には3つのC&R区間があるし、他にも複数あるところは多いからだ。

もし、1つでなければダメだと言うなら石徹白の峠川のC&R区間と本流はつながっているので本流もC&Rに、つまりV字型にしてしまえば、これで1つのC&R区間となるわけで文句はあるまい、どうだ!というわけである。

もし本流がC&R区間になれば、すばらしい魚と釣りのパラダイスになると思うが、それまでになるにはさまざまな問題をクリアしなければならないだろう。

今年の講習会の参加者はかってないほど多かった。1日目は・・数えなかったが、多かった。2日目は・・・数えなかったが多かった。かってなかったことである。フライやルアーの参加者は各講師に数名であるのに対し、テンカラは一大勢力となって、テンカラなしではホリデーも寂しくなる気もした。

とくに例年に比べて若い人が多かった。しかも女性が2日間で4名である。しかも皆さん若い(人もいた)。希望とキャリアによって講師の榊原さんと私で2つのグループに分かれたが、女性はすべて私のグループだったので、それだけで俄然元気がでるオジサンなので、例年になくチカラが入ったことは言うまでもない。 今回も久保さん、金沢の渡邊さん、田島さん、倉橋さんがサポートしてくれた。感謝である。

1日目のバーベQの焼肉は毎年楽しみである。今年はアメリカの3人と同じ台を囲んだ。アメリカの焼肉はスケールが違っていて、うわさによれば牛1頭串刺しにして、クルクル回して焼いたりするらしい。1枚の肉はワラジほどの大きさがあって、これにペッパーなどをふりかけて食べるようだ。

日本の名刺ほどもない肉をチマチマ焼いて、エバラ焼肉のタレをつけて食べるのは初めてで、アメリカ人も気にいったらしい。なにより肉が柔らかくておいしいとのことである。

ジョーンが自分はアメリカでは「バーベQキング」だからと、途中からトングで焼いて配る掛りをしてくれた。ならば、自分こそ日本の「焼肉王」であるとテンカラと建築のSさんが名乗りをあげ、日米の焼肉王合戦になったのを幸いに、私は両者から配られる焼肉をゲフッとなるまで食べたのであった。

今年もフジノラインが遠路、神奈川から出店した。今年、テンカララインとして「ソフトテンカラ」を発売した。ナイロンテーパーラインである。蛍光オレンジで視認性においてこれを上回るものはないだろう。なによりこれまでのラインに比べてしなやかなので、ラインののびが違う。つまり撚りをとりやすいのだ。

私も4Mを振ってみた。適度な重さがあるので初心者にはうってつけのラインではないかと思う。実際に講習会でこのラインを使っている女性がいた。激戦区の激込み講習中に2匹釣った。このラインだから釣れたわけではないだろうが、視認性のよさはテンカラ初心者をサポートするラインになるだろう。

北の安曇野渓流会もブースを出した。いちおう、私は名ばかり会長である。 北の安曇野渓流会は7月19日(土)に長野県大町市で「子どものためのテンカラ教室」を開催し、翌20日は鹿島川で「鹿島川ブラウントラウト撲滅キャンペーン」を行う。鹿島川にブラウントラウトが繁殖し、在来種に影響が出ているので、撲滅はならないまでも間引きが目的である。ぜひ参加してください。

ホリデーではアマゴンスキー木村さんの写真教室もあった。ごくごく普通のデジカメで魚をかっこよく、美しく、芸術的に撮る方法の教室である。一番下の写真が当日、木村さんが撮ったイワナである。構図、色彩、魚・・・どうしてこんなに撮れるのか。プロはすごい。

来年も、生きていれば講習会を開催し、焼肉をゲフッとなるまで、モリモリ食べるつもりである。ホリデーは毎年6月第1土曜、日曜である。ぜひご参加ください。