第13回石徹白フィッシャーズホリデーレポート

 

石徹白フィッシャーズホリデーが無事終わった。今年で13回目。私は1998年から関わっているので20世紀、21世紀と2世紀にまたがって人寄せパンダをしている。ホリデーのことは参加したテンカラ仲間がそれぞれブログなどにアップしているので、そちらを見てもらうとして、ちょっと硬い話題になります。硬い話・・・読みたくない人はサヨウナラ。

その前に、バカ食いしないように自重したつもりの焼肉をまたまたバカ食いしてしまった。と、いっても反省はしていない。元気の確認である。ゲフッというまで食べた。 飛騨牛とのことで、牛肉がことのほかうまい。次から次に焼いてくれるのをパクパクと。最初は野菜からと焼肉奉行がいうので、最初だけ野菜を少々食べたが、肉になると山本リンダ。どうにも止まらない。古い? あの歳で、あのスタイルを維持しているってすごいと思う。学生時代のアイドル。

焼き台が4つに、各10名なのでこの夜のバーベQのテンカラ参加者は40名ぐらいであった。私がぶっちぎりで食べたと思う。2位はGの男かも。

三浦雄一郎さんも80歳でステーキをペロっと。歳をとっても肉を大量に食べられる人は体力がある。ライオンじゃないので、私だって日頃、肉ばっか食べているわけではないが、食べるときにはバカバカ食べる。これは体力のある証拠と勝手に思っている。その割に、渓流を歩くとヘロヘロになる。スタミナに問題あり。

そんなことどうでもいいので、石徹白C&Rの現状である。9対1の割合でイワナ。無茶苦茶いる。Tカメラマンがある日、300mの区間を2往復して56匹釣っている。その日は休み休みの釣りなので、朝イチからその気でやれば百を越えると思う。

TカメラマンはC&R区間の常連である。Tカメラマンに何度も釣られた魚もたくさんいるだろう。尻尾の正の字が彼に釣られた回数である。今度、釣ったときに尻尾を見てください (冗談ですよ)。

リリースすればいかに魚が増えるかはすでに石徹白で実証ずみ。石徹白ではなぜかイワナがほとんどになったものの、C&R区間のイワナが本流に下り、本流もイワナがメチャクチャ増えた。もしC&R区間がなければ本流のイワナは希少になっていただろう。

では石徹白の成功例をみて、各地の漁協がC&R区間を作るかと言えば、まったくその動きはない。数年前までにC&R区間の「ブーム」があって、その頃、全国にC&R区間のある漁協が50以上あったが、更に増えている様子はない。設けたけれど止めたところは身近なところで長野県太田切川がある。

黙っていても、漁協はC&R区間をつくらないことがわかった。では、どうすればC&Rのメリットや意義が漁協や釣り人に伝わり増やせるのかというのが開会式後のミーティングの主題である。

一部の先進的な漁協を除けば漁協は何も知らない。ある漁協で水産庁から魚の殖やし方のパンフ(PDF)が出たことを話しても、組合長はまったく知らなかった。漁協は高齢化している。デジタルデバイドの波をまともに受けている。

HPがない漁協は蛸つぼ漁協である。今の時代、情報発信がなければ釣り人は呼べないし衰退の一途をたどる。よく、若者、バカ者、ヨソ者というが、蛸つぼの中にいて、これらの声が届かない漁協や、若者の声を反映しない漁協に未来はない。

水産庁はパンフをつくるのが目的であってHPに掲載すれば仕事は終わりだろうが、漁協がそれを見なければ意味がない。当然、石徹白のことは知らない。この10年、石徹白に倣え、みたいなことが起きるかと思っていたが、宇宙人がUFOに乗って地球に来るのを待つようなもので、なにも起きなかった。

ならば、こちらから漁協に石徹白の成功事例を紹介して、C&R区間の設定を考えませんかという働きかけをするというのが結論である。C&R区間を設けると魚が増え、結果、訪れる釣り人が増え、漁協の増収につながり、地域の活性化にもなるというアピールである。

密漁、監視、キープなどの問題はあるが、先に問題点を心配してウーンとうなっては前に進まない。それをクリアした実績がすでに石徹白にはあるのだ。

石徹白漁協は本流もC&R区間にしたいと岐阜県の担当部署に相談しているそうだが、C&R区間は1つの漁協に1つだけと、わけのわからないことを言って、心よい返答がないとのこと。C&R区間が成功ならばもっと増やせと言うのが指導と思うのだが。

ならばC&R区間を峠川と本流をつないでしまって、つまりV字区間をC&Rとしてしまえば1ヵ所ということになるのではないか。本流もC&R区間になれば、広大な区間ですばらしい魚が増えるのは間違いないだろう。日本を代表するC&R区間になることを夢見て、今晩も焼き肉をモリモリ食べることにしよう。