日本一寒い開田高原

 

開田高原で釣りをしている関係で、縁あって開田中学校の生徒にメヂカラで学力アップの講演をしてきました。メヂカラ(見る力)をトレーニングして学力アップさせることができるのか? それができるのです。トレーニングで実績をあげている塾や学校がすでにあるのです。

開田中学校は地元、木曽の木をふんだんに使って造られた校舎で、築20年とのことですが、築5年にしか見えないのは生徒数が現在わずか47名と少ないこともありますが、歴代の生徒が母校を大切にしてきたからと思います。私が行ったときも放課後の掃除の時間で、生徒たちは丁寧に掃除をしていました。校舎をみればそこの生徒がわかる気がします。

校舎でわかるように生徒たちは皆、純朴です。私の話(もちろん、オヤジギャグなしの)を砂漠の水のように吸収し、楽しんでくれて私としても話甲斐のあるものとなりました。私の話が勉強に活かされるといいのですが。

冒頭で「テンカラHit Vision」の里川編を少し。撮影場所は開田高原の末川。生徒たちが通った開田小学校のすぐ横の川だからです。毎日見ている川だけど、そこにはアマゴもイワナもいて、御岳の山懐の開田は日本でもマレにみる素晴らしいところなのですと。

水と緑があることは資源であり、故郷の財産です。ほとんどの生徒が都会に出て、その多くは故郷に戻らないかもしれませんが、故郷が素晴らしいところと思ってもらえればと、そんな思いを込めて。

その夜はPTAによる歓迎会です。「ようこそ開田高原へ 石垣先生」というタレまで出来ていて、さらに飲めないこともすっかり知れ渡っているとみえてキリンフリーが何本も。

ようこそ・・というと、初めて開田に来たみたいですが、実は15年前から来ていて、しかも今年は今回で5回目です・・と言う話から始まって、懇親会はテンカラ大王で話をさせてくださいと。

本当に楽しい懇親会でした。小中PTA合同とのことですが、皆さん和気あいあいで、いい雰囲気でした。日頃の地元の付き合いがわかるようです。私の前にはたくさんのごちそうがありましたが、減量中につき少しいただきました。減量を始めてすでに5Kg達成。だいぶスリムになりました。

実は開田高原は日本一寒いところなのです。まさかそれは北海道だろうと誰もが思います。私も知りませんでした。9月の朝の最低気温は開田高原は北海道より低い野田総理ではなく、のだそうです。たまたま講演する日の朝のNHKラジオで、今朝の冷え込みはきつく開田高原が3.8度と日本で最も低い気温を記録しましたと。な、なんと、開田は日本一寒いのか。

翌日は1.8度でまたまた日本一だったそうです。しかし、数年前には9月の末で3日間連続で氷点下5度だったそうで、それに比べれば今年は暖かいようです。

開田の9月は日本で一番寒いことは知られていません。この際、多治見や埼玉の熊谷が日本一暑い町で売り出しているように、まさかのサプライズで、日本一寒い開田高原で売り出したらどうでしょうか。

9月に開田で宿泊した人は、その日の最低気温が日本一だったら宿泊費半額とか、開田のそば食べ放題とか、テンカラ仲間の和和(にこにこ)パンはもってけセール、開田の名物アイスクリームはなめ放題とか・・。アイデア次第だと思います。

懇親会の最後はテンカラ大王万歳三唱でした。選挙で当選した気分でしたが、同時にテンカラ大王として今後も足しげく通おうと思った次第です。すぐに木に登る方なので(笑)。会場に木がなくてよかったです。あれば登ってしまったかも。その夜はいつもお世話になっているプチビラMTおんたけに泊めてもらいました。

朝は霜が降りていました。プチビラの横にかけてあったワナに猪の子供、ウリボーが掛り、軽トラに乗せられたまだ身体が温かなウリボーのまさに命が消えるときを見ました。かわいそうですが地元の人にとっては畑を荒らす害獣です。

プチビラの芝生もミミズを掘るイノシシによってところどころ掘られていました。私が寝ている部屋のすぐ横でイノシシが芝生を掘り返していたのです。

鈴木さんと近くの渓流へ。当然、朝はゆっくりコーヒーを飲みながらのテンカラ話から。10時半から釣り開始。今日は今年最後の開田でのテンカラです。

木々の葉は黄色く色づき、気の早い枯れ落ち葉が流れてきます。光と影のコントラストはすでに秋のもので、影は一層濃くなり、今年のあの暑かった夏を惜しむかのように、また忘れたかのように開田は秋色になっていました。

釣れる魚も婚姻色をまとい、産卵に参加するイワナは大きくなった腹をかかえて流れの緩やかなところに定位し、瀬から出るのは産卵しないイワナたちでした。すべて開田のヤマトイワナです。

尺のアマゴも釣れました。真っ黒になったオス。ブナ模様がまもなく産卵し、命が尽きるのを告げていました。

いつものようにリリース。アマゴにもイワナにも元気な子孫を残すんだよと思いを込めて。そして一年遊んでくれてありがとうの感謝の気持ちも。キザですが本音です。

開田の一年が終わりました。来シーズンも遊ばせてもらいます。

尺アマゴが(動画)