モンタナテンカラ紀行  (その1)アメリカの航空サービス事情

 

8/24〜9/2までアメリカのモンタナ州のウェスト・イエローストーンを中心にテンカラをしてきたので、おもいつくまま書いてみたい。今回は8/27にダニエルが企画した第1回テンカラサミット in USAが開催されることに伴い、講演やデモをするのが目的で、ついでにアメリカのフライフィッシングの聖地モンタナでテンカラをしようという計画である。

2009年はコンチネンタル、昨年はデルタ航空、今年は名古屋→成田→サンフランシスコをANAで往復した。8月のオンシーズンなのでどこの航空会社も値段は 変わらないのでANAである。サービスが全然違うからだ。

ところでANAの国際線のムービーに昨年の「釣りロマンを求めて」がなぜか採用され、今年の4月の1ヵ月間流れた。8月なので当然、映像はないが、ここで流れたのかと確認することができた。 乗ったのが4月だったら自分を映像を見るのはくすぐったかったろう。

なぜ航空サービスのことを書くかといえば、次のようなことがあったからだ。サンフランシスコのダニエルの家から、釣り仲間で今回、同行して通訳をしてくれる向こうではMasakiと呼ばれている中野さんと一緒に 、国内線でモンタナ州のボーズマンに飛ぶ朝のことである。これは1日1便しかない。Bozemanとは釣り人にはうーん!と先行きを心配する地名で ある。どうやら人の名前に由来するらしい。人口3万足らずの田舎町である。

サンフランシスコ空港はごったがえしていた。なぜなら、すべての航空会社がフライト代を値引きするかわりに、機内持ち込みではない貨物室に入れる荷物 について1個25ドル、2個で60ドル、3個で120ドル程度取ることがわずか2日前に決まったからである。日本なら無料だが有料である。しかも個数が増えるほど値段が高くなる。

しかもそれが2日前である。それを知った人たちが荷物の整理をするなどで大混乱、長蛇の列である。しかもチェックインはすべて自分でやらなければならないのだ。やっと我々の番になった。カウンターには パラパラと面倒くさそうな雰囲気の数名がいるだけである。あきらかにやる気がない。服装もマチマチ。よれよれのシャツに首にIDカードを下げている。何も助けない 。見ているだけ。私たちは安い賃金なんだから、責任をとりたくないというのがミエミエである。

すべて自分でしなければならない。その場で貨物の費用をカードで払いその領収書を見せる。そこで、はじめて「搭乗手続きをしてやる」という雰囲気である。ところが、どうやら45分前のチェックインに遅れたので 搭乗できないと言っているらしい。

その時間はわずか1〜2分である。ごったがえしていなければスムースだったのにそんな事情はおかまいなし。遅れたのはお前たちだ、私たちには責任はないと言っているらしい。日本ではとても考えられない。

ということは貨物はその飛行機で運ぶが、我々は別の飛行機で行かなければならなくなった。どの飛行機があるか、乗り継ぎはどうするか、それもすべて自分たちで探さなければならないのだ。結局、いったん家に戻り、夕方にコロラド州のデンバーに飛び、そこからボーズマンに飛ぶというルートになった。

ボーズマンに着いたのは夜の11時半である。そこからレンタカーを借り、空腹を満たすハンバーガーを買い、ボーズマンのホテルにチェックインしたのは深夜2時に近かった。時差ボケ で頭がガンガンする。

ローカルなボーズマン空港は日本でいえば、山形とか秋田空港の規模の空港で、ふんだんな地元の木材を使った木造建築で、人も少なく、落ちいた雰囲気で、対応もよくサンフランシスコとは大違いであった。

いつも思うことだが客室乗務員の態度やサービスが全然違う。日本の航空会社の過剰とも言えるサービスに比較して、雲泥の差である。客室乗務員といえども何事もなければ空飛ぶ給仕係りである。向こうの乗務員はハンバーガーショップの店員と 大差ない。食わせてやる、なにを飲むんだ、面倒くさいというのが態度に出ている。

そもそも容姿も笑顔もサービスのうちと思うのだが、大阪のオバハンのような人が多い上に、皆、肥っている。もし、緊急事態になったらあんたのそのデブが通路をふさいでしまうだろうという人も客室乗務員である。ぜひ、日本の飛行機に乗ってみてほしいものだ。

ダニエルにはこの日、このトラブルのほかに、深夜のボーズマンで25マイルのところを41マイルで走ったというスピード違反でパトカーに捕まってしまった。あの広い道路が25マイル(時速40キロ)とは。罰金は州ごとに違うようだが、モンタナでは40ドルとのこと 。しかも今後、10年モンタナに来ないならば金は払わなくていいらしい。しかし、来なかったということがどうして証明できるのか? よくわからない。

さらにダニエルは引っ越しにともないYUKIという名前のメス犬を飼った。殺処分される寸前のハスキーもどきである。そのYUKIが自宅近くの草むらで、スカンクにやられたと奥さんのマーガレットから電話があった。これで2回目らしい。スカンクの臭いは強烈で、シャンプーしてもなかなかとれないらしい。飛行機、スピード違反、スカンク。ダニエルにとって モンタナ釣行は頭の痛いスタートとなった。

サンフランシスコ名物霧の中を走る(動画)