テンカラとフライのコラボ in 開田高原(1)

 

8/21-22とテンカラ界始まって以来の(?) テンカラとフライのコラボイベントが御嶽山の麓の開田高原末川でありました。協賛はパタゴニア社です。

参加者はテンカラのみが2名。うち1人はドライフライを使ったテンカラ(ドラテン)。これに元はテンカラ(元テン)で、今はフライマンだが最近テンカラを始めた(近テン)1人。さらにどっぷりフライの2名。くわえて渋滞にはまって遅れしまったパ タゴニアの社員でテンカラに意欲満々の女性2名の計7名。これに元テン・近テンのプチビラMTおんたけのオーナーの鈴木さん。

つまり、いろいろな経歴とキャリアの「毛バリのもつ煮込み」のようなのが今回の講習会メンバーなのです。この他、参加申し込みしたけれど、事情ができて涙という人も数名あったようです。講習会や懇親としては最適な人数かもしれません。

まず、水生植物園のあずま屋の下で毛バリと仕掛けについてじっくりと1時間説明です。この時間は私としても有難かった。通常、講習というと、なぜ毛バリや仕掛けはシンプルでいいのかというところはすっ飛ばして、結び方とキャスティング、そして実釣となるのですが、1時間かけて、テンカラではなぜ毛バリにこだわらないのか、仕掛けはなぜレベルラインが主流なのかを時間をかけて説明し、たくさんの質問も受けました。

フライマンからすれば、テンカラがどんなものか話には聞くけれど、じっくり見たこともないし、詳しい説明も聞いたことがないのでおそらくワンダーな時間だったと思います。

私が話したのは概略以下です。関心は毛バリの違いにあると思うので毛バリについては念入りに。

1.テンカラのキーワードは「効率」

・すべてはいかに効率よく釣るか。そのためには毛バリは1種類でよい。交換の手間がいらないから。魚の腹から出るのは10〜14番サイズの餌。だからこのサイズのハリで巻く。私の毛バリは50秒で巻けるバーコードステルス毛バリ。毛バリは魚に見えればいい。釣り人が見るものではない。毛バリにこだわる間は腕は上がらない。

・サッーとテリトリーを流れる日本の渓流では餌(毛バリ)をセレクトしない。餌らしければくわえ、違えば吐き出す。だから、そっくりの必要はない。

・さらに魚には毛バリの細部を見分ける視力はない。ただし、サイズの違いはわかる。毛バリを見切るのは今、食っている餌のサイズと違うから。色や形は関係ない。だから細かいところにこだわらなくてよい。素材も何でもいい。このハックルは中国製じゃないか、アメリカ製じゃなきゃ、なんて魚は思わない。

・この毛バリを食いたい(餌と思う)魚だけを釣る。食わないからといってハリは換えない。次のポイントにはこの毛バリを食いたいのがいるので、それを釣ればいい。

2. シンプルに考える

すべてをシンプルに。仕掛けも、またラインとハリスの結び方、持ち物なども含めてシンプルにする。道具に依存しない。道具に依存するほど、道具で釣ることになる。すべてをそぎ落とせば残るのは自分のテクニックと状況判断。これは釣具店には売っていないし、金を出しても買えない。

3. フライフィッシングの考え方は否定しない

釣りはあくまで遊び。どのように遊ぶかという遊び方に優劣はない。だから、フライフィッシングも否定しない。ただし、フライのやり方でなければ釣れないと考えているのはもったいない。テンカラの毛バリや仕掛けでも十分釣れることを知ってほしい。要は選択肢の幅を広げてみること。その中から自分にあった方法を選択すればいい。幅を広げるためにもテンカラを体験してほしい。テンカラの効率、シンプルがいいと思えばテンカラをやってほしい。

ここまでじっくり話すともう竿を振りたくてたまりません。イケメン望月さんは腰が10cm浮いています。ということで実釣へ。場所は小学校裏。ここは激戦区で、おそらく今日だけでのべ10人は通ったでしょう。時間は午後2時のドピーカンの晴天。とおり一遍なら釣れないと思います。

状況(土曜、激戦区、晴天)からどこを狙い、どこに毛バリを落とし、出ない場合にはどのようなテクニックがあるか、私のすべてを見てもらいました。ただし、パンツは下ろしませんでしたよ(コラッ)。

皆さん、経験者なので、この状況でも釣ります、釣ります。元テンのSさんは1時間に6匹も。イケメン望月さんもバカバカです。ニンフもやるようなので、糸フケでアタリを取ることも糸も簡単にできました。

そこに遅れてきたテンカラ女性軍2名。私も俄然、ヤル気がでます。2人ともテンカラの経験なしですが、キャスティングをみてスジがあることがわかります。釣れるのは時間の問題とふんでいたら、やはりKさんが25cmのイワナを。その直後にもアタリがあるも合わせ遅れで残念。

釣りは5時半に終了。これからがいい時間帯ですが、飛騨牛バーベQとキャスティング大会が待っているのだ。

つづく