世も末川の講習会

 

またまたなのか、たまたまなのか連続ボウズのクンクン開田高原の講習会になってしまいました。親と天候は選べません。26日の朝、早朝に家を出たものの、途中の道の駅でちょっと休むつもりが30分も気を失ってしまい、開田高原についたときにはすでに全員そろっていて、しかも支度もバッチリ。私だけが草履姿で顰蹙(この字が書ける人は漢検1級でしょうね)を買ってしまい、主催者の倉上老眼テンカラ本舗社長の頭からは湯気が出ていました。頭から湯気が出ているのがなぜかわかるのです。

この雨で増水5cm。5cm増水なら食い気が出るのでは?と思うかもしれませんが、テンカラはダメなのです。その理由は雨水で水温が下がる、増水で水の中を餌が流れる、さらにポイントがつぶれるという三大悪条件になるからです。テンカラはこの逆の、水温が高く、水ねっとり、渇水で石が出てどこもかしこもポイントだらけの条件がいいのです。さらにこの条件に雨がシワシワと降れば、初心者でも二桁も可能姉妹。

このような日に講習会を設定した主催者が悪いのです。「出てこい!」 「あ!申し訳ありません。出てきていただけませんか」 案の定、まったく反応がありません。ウンスンです。そう言えば先週もウンスンでした。2週続けてウンスン。受講の10余名のテンカラ師が上流に下流に分かれましたがウンスン。かろうじて私に18cmのアマゴが2匹。しかし講習中ではないので、講師は釣ったことにはならないのです。講師は講習中に釣らなければならないという不文律があるからです。

即、昼飯です。倉上さんのクーラーBOXはドラエモン。何でも出てくるので食べ物や飲み物には困らないのですが消費期限をよく確かめる必要があります。といっても私の腹ではまったく問題ないのですが。

どうしよう、どうしようとクラリネットが壊れてしまったのです。そこで急遽、西野川のC&R区間に移動しました。しかし、ここもすでに10cm近い増水。一昨年の講習のときとはまったく渓相が違います。一見してとても出る気がしない。案の定、ウンスン(こればっかり)。5cmにも満たないアマゴの稚魚が。幼児虐待で通報されます。

こうなったら夜の飯しかない。今回は向かいの席が味噌屋の五味さんと浅井さん。それと私で三角形のタッグを組んでご飯食べまくりです。私もこの歳ではよく食べますが、五味さんと浅井さんの相撲部の合宿みたいな食べっぷりには脱帽です。室内なので帽子はかぶっていませんでしたが。来年の石徹白のバーベQではぜひタッグを組んで食いまくりましょう。

その後はお楽しみ抽選会。毎回、倉上さんが景品を用意してくれます。よく、これだけ準備してくれるものと正直、感謝です。初参加の小福さんは「テンカラ大王とアマゴンスキーの実釣レベルラインテンカラ」のDVDをはじめ、その他ドッサリあたって小福の名前を大福に変えるとか言ってました。

という間にも次第に雨足が強くなっているのがトタン板に当たる雨音でわかります。明日は吉田毛鉤の吉田さんが参加するというのにこのままでは。

案の定(またまた)、明けての西野の川は濁流。一昨年のデジャブそのままです。誰も彼も彼女も肩を落としています。どうすりゃいいのさ思案橋(青江三奈の長崎ブルース、知ってる人はオジサン以上)。末川ならできるかもと向かったのですが、着いてみれば世も末川。更に増水の上に、お茶を5回出した出がらしの濁りも。

講師まったくやる気がでません。それを察して倉上さんが「講習を受けたい人?」と聞いたのですがゼロ。ホッ!としたようなそうなのか、あなたたちはという複雑な心境でした。でも吉田さんは講習を受けに来たのです。私の講習中のギャグのタイミングには学ぶべきものが多いのでぜひそれを学んで帰りたい。

と言うわけで重い腰を上げようと思ったのですが、釣れる気のしない釣りほど腰に鉄を入れたように重い。実際に私の腰には2枚のチタンの板が入っているのですが。ウン、ヨイショ、ウンセ、ソレなどと出るのは声だけです。皇潤、ヒアルロン酸、グルコサミン、黒酢・・・を声に出したら次第に元気が出てきました。

受講者ゼロを見るに見かねた稚魚平田さんが手をあげてくれて、なんとか講習になりました。でも15cm近い増水で、とても釣りになりません。前日と朝食のバカ飯で重くなった0.093トンなので流れに立てますが、並みの体重ならあっという間に足をすくわれ状態。それでもかろうじてアマゴの顔を見ることができました。

最後は吉田さんの毛鉤巻き教室です。さすがTOKYOトラウマカントリー 、ん? トラウトカントリーの堀江渓愚さんの師範代。商品になる毛バリ巻きです。とくに紫外線毛バリは特筆です。サケマスは紫外線を識別するという研究をもとに、胴やネックを紫外線に反応するようにしたもので管理釣り場の魚には特に威力があるとのことです。

毛バリ巻きケースには毛バリ巻きセットがキチンと整えられていて、商品にするにはこうでなくっちゃと。私の毛バリ巻きはくっちゃくちゃと思ったのでした。

末川の名誉のために書きますが、本来はこんなものではありません。とくに夏がいいですね。標高1100mの高原なので下界の暑さを忘れさせます。チリチリ暑い日中は休んで夕マズメに期待です。堰堤にはアマゴとイワナがびっしり入っています。親と天候を選べないサンデーアングラーがそんなときに当たることはマレなのですが。

吉田毛鉤  お茶テンさんにも講習会の様子がアップされています。

ボリショイ猿の電線渡り(動画)