なぜテンカラを禁止するのか

 

GWの某日、釣り仲間のSさんから電話があった。今、子供たち3人をつれて平谷湖フィッシングスポットに来たがテンカラ禁止と言われ子供たちもがっかりしている。なんとかならないだろうかという内容である。さっそく平谷湖に問い合わせした。受付けの方は子供さんたちもいるので、なんとかしてあげたいがルールなので申し訳ありませんとのこと。

フィッシングスポットがオープンするとき、テンカラもぜひといって力になってくれた豊橋のタイトループの石川さんと連絡をとり、そこから支配人さんの連絡先を紹介してもらった。

後日、支配人さんと連絡がとれたので電話で経緯をお聞きした。支配人さんは誠実に対応してくれた。禁止はルアーのお客さんからクレームがあったためとのことである。クレームの内容はルアーの近くにきて毛バリをピチャピチャ打つので迷惑であるとの趣旨であった。お客さんからクレームがあれば対応を考えなければいけないので、その結果がテンカラ禁止となったとのことである。

実はテンカラ禁止はここだけではない。ポンドタイプの管理釣り場でテンカラを許可しているのは非常に少ない。なぜテンカラを禁止するのか。

かって禁止の理由として私が聞いたのは、餌釣りの長い竿の先に提灯式に毛バリをつけ、テンカラと主張した人がいたのでというものである。しかし、現実、そのような人がいたのだろうか。それはテンカラではないので平谷湖のオープンの際、テンカラのレギュレーションは竿は5mまで、オモリ禁止、ハリは1本、バーブレスフックとした。

もちろん、いろいろなテンカラ師がいるので、ルールを守らず、マナーも悪いテンカラ師がいるかもしれない。しかし、それはフライでもルアーでも同じであろう。決してテンカラだけがルアーのそばにきてピチャピチャ叩いてルアーの気分を悪くしているとは思えない。

ルアーのことを言えば、シングルフックの規則にもかかわらずトリプルフックを使う人もいるだろうし、テンカラ師からみれば対岸から、またどこからでもルアーが飛んで来て迷惑と思っているテンカラ師もいるはずである。でも声には出さない。

私はテンカラ禁止の理由はそこにはないと思っている。ルアーより釣れるからである。ポンドの管理釣り場ならルアーよりはるかに釣れる。アジャリ君のブログでそれがわかる。ルアーからみたら、決して気分のいい光景ではない。しかし、テンカラが釣れるからテンカラを禁止してほしいとは言えない。そこで、近くにきて・・・というマナーを指摘するのではないか。

テンカラ禁止はどこでも起きている。決してテンカラだけがマナーが悪いわけではないにもかかわらず。客とのトラブルを避けたいから声が大きい釣りを優先し、マイナーなテンカラを排除する。残念なことと言わざるを得ない。

私たち釣り仲間が遊ぶ美濃フィッシングエリアではテンカラOKである。決して大きくない1つのポンドでルアー、フライ、テンカラが共存している。支配人からテンカラへのクレームも聞いていない。

もちろん経営上の問題があるので、テンカラ禁止を決めるのは自由である。もし、テンカラが釣れすぎることを真の理由としているとすればそれは残念である。テンカラが、ルアーが、フライがと、お互い言いあうのはよくない。 それぞれの釣り人の本質になんら違いはないからだ。釣法が違うのは仕方がない。釣法を批判するのは筋違いである。.

ここは共存の方法をさぐることだと思う。平谷湖について言えば、ポンドごとに釣法を分けるとか、ローテーションするとかでトラブルを避ける方法があるだろう。またレギュレーションを明確にしてそれを遵守してもらい、マナーの向上を徐々にはかることが、ひいてはその管理釣り場の評価を高め、客を呼ぶことにつながると思う。

支配人さんはテンカラ禁止について意見をもらったので検討し連絡するとのことであった。いい方向にすすむことを期待したい。